先日、焚火台を新調しました。
焚火台の元祖、スノーピークです。
私は、これまで3台の焚火台を所有(うち1台は自作)してきました。ソロ用の小型の物も含めると、7~8台は使いこなしてきたことになります。
そんな私が、何故今更スノーピークなのか。
選んだポイントは3点。
- バーベキューコンロとして使える
- コンパクトに折り畳める
- 耐久性が高い
それでは、私がスノーピークを選んだ理由をご説明させていただきましょう。
スノーピークの焚火台
キャンパーなら、誰でも知っているスノーピークの焚火台。
スノーピークが自ら「1996年の発売から、「焚火台」というジャンルを作り、直火禁止をマナーとルールにした名品。」と謳うように、焚火台はスノーピークを代表する製品です。
1996年は、山井太氏が社長に就任し、社名もスノーピークと改めた年であり、焚火台はスノーピークの歴史と言っても過言ではありません。発売当初は、焚火台という商品が理解されず、全く売れませんでしたが、「地面を焦がすことなく焚火ができる」というコンセプトは、時間をかけて浸透していきました。
しかし、これに水を差したのが第1次キャンプブームの終焉です。皮肉なことに、会社の業績は93年を境に急降下。売り上げは、焚火台発売から僅か3年後の96年には、ピーク時の半分近くまで下がりました。
このように、焚火台は、キャンプブームの終焉と共に、苦悩の歴史を歩むことになります。ところが、この苦境を支えたのもこの焚火台でした。
焚火を囲んでユーザーと語り合う「スノーピークウェイ」です。
スノーピークは、キャンプを通じて、ユーザーとつながり、生の声を聞くことで、それを製品に繋げていきました。また、社員が参加することで、ユーザーと共にキャンプ文化を作っていくことにも貢献するなど、単なるキャンプイベントではないというのも、スノーピークウェイの特徴です。
98年の第1回目の参加者は、僅か30組。その後、地道に続けられた結果、2013年現在では、全国11か所で2000組以上が参加する大きなイベントへと進化。しかも、全ての会場が抽選になっていることから、参加希望者は1万人を超える規模にまで発展しました。
焚火台は、そんなスノーピークウェイの常に中心にある存在でした。
スノーピーク焚火台の特徴
スノーピークの焚火台の特徴は、下記の5点です。
- 堅牢性・耐久性
- 高い燃焼効率
- シンプルな折りたたみ構造
- 豊富なオプション
- Made in Japanの品質
耐久性・堅牢性
今では、無数にある焚火台ですが、スノーピークの焚火台は、発売当初からその堅牢性と耐久性の面では群を抜いています。それは、重量を見れば一目瞭然で、約35cm四方のMでも3.5kg、約45cm四方のLでは5.5kg、約63cm四方のLLでは11kgと薪ストーブ並みの重量に達します。
本体に使用されているステンレスプレートは、圧さ1.5mmとかなり厚みのあるものが使用されており、これが耐久性につながっています。通常、ステンレス製の焚火台は、圧さ1mm程度の物が使用されていることを考えると、スノーピークの耐久性への拘りが伺えます。
また、脚に使われているステンレス棒も、直径10mmと群を抜いており、これが10インチのダッチオーブンも使用可能な耐荷重性に繋がっています(耐荷重はオフィシャルでは非公開)。
焚火は、熾火状態では800℃を超えますので、その熱に耐える耐久性と、ダッチオーブンを乗せてもビクともしない堅牢性を備えているというのは、安心して使えるという面でも重要なことです。
高い燃焼効率
スノーピークの焚火台は、逆ピラミッド型をしています。薪は、下から上へと燃え上がっていくため、上に開いた構造の方が燃えやすいためです。
また、側面の穴は、何度もテストを繰り返した結果、最も燃焼効率が高くなる位置に調整されています。
燃焼効率を更に高めているのが、「炭床Pro」、所謂ロストルです。
炭床Proは、後述するように炭火でバーベキューをするために造られたオプション品ですが、焚火で使うとメッシュ状の炭床の間から灰が落ちるため、安定して薪を燃やすことができます。
また、メッシュの間から空気が流れ込むため、焚火の着火時にも役に立ちます。
シンプルな折りたたみ構造
耐久性や堅牢性、燃焼効率など、高機能であるにもかかわらず、スノーピークの焚火台が使いやすいのは、このシンプルな折りたたみ構造にあります。堅牢性や燃焼効率を追求すると、どうしても複雑な構造になりがちですが、この焚火台はワンタッチで開くだけと、とても単純な構造になっています。
この簡便性は、何かと設営に時間がかかるキャンプでは魅力的なポイントです。
また、収納サイズも、とても薄くなるのが特徴。焚火台Lでも、収納サイズは32mmと大きさの割にとても薄く収納することができます。
尚、収納袋も秀逸で、本体だけでなく、オプション品のグリルブリッジや焼アミなども一緒に収納することが可能です。
豊富なオプション
スノーピークの焚火台は、オプションも豊富です。
炭床Proとあわせて、グリルブリッジと焼アミを使えば、BBQグリルとして使えますし、グリルプレートを追加すれば鉄板焼きなども行えます。
グリルブリッジは、高さを3段階に調整できるため、火力調整が容易に行えます。
焼アミProは、鉄製とステンレス製がありますが、耐久性が高く錆にも強いステンレスをおすすめします。
特筆すべきは、網に使われているワイヤーの太さです。直径2.5mmの極太ワイヤーが使われているため、最早ロストル並みの耐久性を誇ります。
また、網の中央部分には、直径7mmのワイヤーが3本入っており、網の上にダッチオーブンを置いて調理することができるようになっています。
その他、焚き火台から落ちる火の粉や炭から芝生などを保護する焚火台ベースプレートのような、より焚火を楽しむ上でのマナーに配慮した製品もラインアップされています。
Made in Japanの品質
スノーピークと言えども、アウトドア製品のメーカーである以上、製造を中国や韓国などに委託することは、現状では避けられません。
しかし、ソリッドステークなどの一部の製品については、国内製造に拘っており、焚火台も自社工場と国内の協力会社で製造されています。自社製造と言っても、今の時代ですからロボットによる自動生産ではありますが、品質を優先して製造ラインを限定しているという点については、スノーピークの紆余曲折を体現している焚火台ならではと言えます。
買うならセットがお得
スノーピークの焚火台は、S・M・L・LLの4種類の大きさがあります。このうち、LLにはオプション品の設定がありません。LLは、一辺が63.3cmもありますので、焚火台というよりはキャンプファイヤーなどの特殊用途向きということになります。
一方、Sはグリルブリッジの設定が無く、代わりに高さ調整機能のあるグリルネットSがラインアップされています。
そのため、オプション品をフルで活用できるのは、MとLになります。
各種オプション品は、バラでも購入可能ですが、本体とのセットの購入をおすすめします。
焚火台スターターセットは、焚火台+炭床Pro+ベースプレート+収納袋の4点がセットになっています(MとLのみ)。
出典:snow peak |
焚火台L BBQスタートパックは、スターターセットの内容に加えて、グリルブリッジ+焼アミPro(ステンレス)+フィールド着火剤がセットになっています(オンラインストア限定販売)。
出典:snow peak |
私は、焚火台Lのスターターセットに、グリルブリッジと焼アミPro(ステンレス)をバラで購入したので、ケース付の着火剤を逃してしまいました(苦笑)。
私がスノーピークを選んだ理由
私が、スノーピークを選んだ理由は、冒頭でも挙げた通り、①バーベキューコンロとして使える、②コンパクト、③高耐久性の3点です。
実は先日、長年使っていたコールマンのBBQコンロを手放したので、新たなBBQコンロが必要になったのです。手放したと言っても、実家に置いてきただけなのですが、手元に無いことに変わりはありません。卓上コンロなど、色々持っているので、BBQをするのに困るという程ではありませんが、コールマンのBBQコンロは15年近く使い込んでいましたので、これを機に新調しようということになりました。
目的はBBQですから、新しくコンロを買えば良いのですが、特にキャンプでBBQをする場合、BBQを楽しんだ後に焚火へ移行することが多いため、BBQにも使いやすい焚火台が候補となります。その点、スノーピークの焚火台であれば、グリルブリッジがあるので、BBQ目的でも十分活用できます。
2点目のコンパクトという点ですが、別に焚火台に限ったことではありませんが、小さければ小さい程、薄ければ薄い程、収納面で有利になるからです。荷物の多い我が家では、愛車のCX-8の3列目を倒してパンパンになるまで詰め込んでいますから、収納時に薄くなる焚火台は魅力的です。
最後の耐久性ですが、当然ですが数年でダメになるような製品は廃棄処分にも困るので、一生とは言わないまでも、できる限り長く使える物が欲しいところです。その点、スノーピークの焚火台は耐久性に定評がありますし、炭床は買い替え可能なのが魅力でした。焚火で一番ダメージを受けるのが熾火の熱をモロに受ける底の部分ですから、炭床を使えば熾火の熱から本体を守ることにも繋がりますし、炭床だけ買い替えればよいのでリーズナブルです。
使ってみて感じた事ですが、やっぱり使いやすいの一言です。
炭床で嵩上げされるため、BBQ時には炭火の火力を効率よく使うことができますし、高さで火力調整ができるグリルブリッジも便利です。
太い焼き網のおかげで、焼き目も食欲をそそる。 |
定価8,000オーバーの焼アミProは、流石にオーバースペックな気がしましたが、ステンレス製のごっつい網は、洗いやすくて耐久性も高いので、長い目で見れば安い買い物と言えるでしょう。
私は、これまで尾上製作所とモンベルの焚火台をメインに使ってきました。
尾上製作所の焚火台は、BBQに使用すると、網の高さを変えたりということが出来ず、炭の追加も少々面倒でした。一方、スノーピークは、グリルブリッジで高さを変えられるなど、使い勝手の良さを感じます。
また、モンベルの焚火台は、薪の燃焼効率は高いのですが、箱型で底が深いため、炭を使ったBBQには不向きでした。そういった点でも、BBQから焚火まで満足いくレベルでカバーしてくれているスノーピークは、導入して良かったと思います。
さて、何故、私がこれまでスノーピークの焚火台を買わなかったかと言うと・・・
やっぱり高いからです(苦笑)
でも、値段相応のことはある製品ですから、買って良かったと思っています。