会社帰りに寄れるキャンプ場「ogawa GRAND lodge FIELD」

2022年11月7日

キャンプリポート

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日本を代表するテントメーカー「ogawa」。日本発のアウトドアブランドとしては、スノーピークと人気を二分するブランドです。

ライバルのスノーピークは、新潟のSnow Peak Headquartersを始め、全国にキャンプ場を展開していますが、一方のオガワは、これまでキャンプ場はありませんでした。オガワファンの私としては、直営のキャンプ場を熱望していた訳ですが、遂に2020年7月28日にオープンしました。

しかし、予定が合わず、今まで行くことができませんでした。一番の理由は、オープン以来ずーっと週末は予約で埋まっており、平日しか空きが無い状態が続いていることです。そんなことで、悶々とした日々が続いていたのですが、この度ようやく行くことができました(*´▽`*)


ogawa直営キャンプ場「ogawa GRAND lodge FIELD」

ogawa GRAND lodge FIELDは、千葉県柏市にあります。柏市は、JR常磐線とつくばエクスプレスが通る首都圏を代表するベッドタウンで、東京駅から40分前後という首都至近の都市です。主要駅前には、大規模な商業施設があり、多くの高層マンションが立ち並んでいます。

オガワが、そんな柏市に直営キャンプ場を作るという話を聞いて、私は疑問に思いました。Snow Peak Headquartersは新潟の山間部ですし、アウトドアショップ「WILD-1」の直営キャンプ場「ワイルドフィールズおじか」は栃木県と福島県の県境など、絵に描いたような自然あふれる場所に作られています。

私のイメージでは、柏は都市のイメージが強く、オガワがなぜそんな場所を初の直営キャンプ場の地として選んだのか疑問でした。キャンプ場の適地なら、首都圏近郊でも、山梨県全般、東京の奥多摩、秩父(埼玉県)、那須(栃木県)、みなかみ(群馬)など、枚挙に暇がありません。確かに柏は、風光明媚なベッドタウンとして人気の街ですが、キャンプという非日常を楽しむという点では、やや劣るイメージだったのです。

しかし、そんな疑問は、行ってみて氷解しました。


ogawa GRAND lodge FIELDは、元ゴルフ場を改修したキャンプ場です。

所々に、ネットが張ってあり、ゴルフ場跡地であることが伺える。

手賀沼の南に位置し、周囲は森と田畑に囲まれており、県道からも離れているため、とても静かなキャンプ場です。



場内は、良い意味で照明が無く、周囲も幹線道路や建物が殆ど無いため、夜は星が楽しめます。

流石に、空気の澄んだ高原には劣りますが、首都圏至近のキャンプ場とは思えない星空が広がっています。


キャンプサイトについて

キャンプサイトは、今回私が利用した「ソロ(デュオ)サイト」、「オートサイト」「区画サイト」の3種類があります。

フリーのソロサイトは、ゴルフ場跡地なので微妙なアンジュレーション(起伏)がありますが、場所を選べば問題なし。それに、元ゴルフ場だけあって、フカフカの芝が特徴です。

池を挟んで右側のサイト

池を挟んで左側のサイト。

試しに、芝の上で寝転んでみましたが、かなりの気持ちの良さ。

夜に寝るときは、断熱のためにマットが必要ですが、ごっついインフレーターマットは不要です。


オートサイトは、ロープで区割りされています。広さもそこそこあるので、テント+タープで焚火も充分楽しめるスペースがあります。

区画サイトもほぼ同様ですが、車の乗り入れは出来ないため、ワゴンを借りることになります。


施設について

施設に関しては、オープンしたてと言うこともあって、文句無し。

ロッジ風の建物が、受付のあるセンターハウスになっています。


水や氷、炭、薪など、キャンプに必要なアイテムは当然のこと、ogawaの商品も販売しています。



ビールも少量ながら販売している。右の冷蔵庫には、氷とアイスクリームが入っている。


オガワグッズだけでなく、デイツやMERCURYのグッズなども豊富に取り扱っています。

直営キャンプ場ということもあり、リペアクロスやシーリングテープなどの補修グッズまで売っているのは流石。




また、テントから焚火台まで、レンタル品が充実しているのもポイント。テントは、オーナーロッジタイプ52R、オーナーロッジタイプ52RT/C、グロッケ12T/C、ピスタ5、ステイシーST-Ⅱの5種類。折角のogawa直営ですから、できれば全てのラインアップを貸出できるようにして欲しい所です。もしそうなれば、購入前に試しで使ってみることができますから、アポロンとティエララルゴのどちらを買うか悩んでいる、なんて方にはもってこいのサービスになると思います。


薪は、広葉樹薪のみで1袋900円。麻袋は要返却ですが、プラス400円で購入することも可能。


入口前には、キンドリングクラッカーが置いてあり、自由に使うことができます。

センターハウス前には、大量の杉の玉切りが並んでいるのですが、こちらは非売品なのだそうです。

オープン当時は、細めの玉切りを焚き付けとして無料で提供していたそうですが、20cm以上の大きな玉切りばかりになってしまい、普通には割れない物ばかりになってしまったため、サービスを終了したとのこと。

うーん、薪割り好きの私としては、スプリッティングアックスを持ち込んで、割って使いたいところですが・・・(苦笑)


センターハウスの向かいは、炊事棟。洗い場はとても広く、シンクの数も多いので、繁忙期でも待つことは殆ど無いと思います。

また、外にも流し台があり、ダッチオーブンなども洗えるスペースがあります。

しかも、全てお湯が出るという、至れり尽くせり。

炊事棟の裏側には、自販機コーナーがあります。


炭酸なども売っているので、ハイボール派には有難いです(笑)。


因みに、炊事棟2Fはスタッフが常駐されていますので、万が一夜中に何か起こっても、対応可能だとの事です。


センターハウス隣には、トレーラーハウスが設置されており、トイレとシャワー施設になっています。

手前がトイレ、奥がシャワー室。

向かいの広場には、灰捨て場として、ソロストーブのファイヤーピットが置いてあります。


トイレは、土足禁止で、シャワー式。綺麗に掃除も行き届いていますから、マナー良く使いたいです。


こんな所にもogawaのロゴが(笑)。


シャワーは、ユニット式で、脱衣スペースもあるので、快適に使うことができます。石鹸やシャンプー類は無いので、自分で持ち込むことになります。



洗面台には、ドライヤーも置いてあり、向かい側には洗濯機もあります。



これだけ充実した設備にも係わらず、何と全て無料!


さて、施設の質は高いのですが、全てがセンターハウス周辺に集中しているため、サイトによっては少し遠い印象があります。

場内は、まだまだ工事中の場所もあったので、今後更に充実することを期待したいです。


注意点

ogawa GRAND lodge FIELDの最大の注意点は、全面芝生という点です。受付でも、焚き火をする時は必ずスパッタシートを使うように言われますが、焚火台によっては、スパッタシートぐらいでは熱を防ぐことができません。

芝生は、とても熱に弱いため、焚火をした後に問題無いように見えても、熱の影響で枯れてしまうことはよくあります。

場内の至る所で、熱の影響で枯れた跡がありましたので、十分な熱対策は焚火マナーとして必要です。



焚火の輻射熱対策としては、焚火台の底から地面まで、最低20cmは離すのがベターなのですが、殆どの焚火台がこれに合致しません。そのような焚火台を使う場合は、スチール製のテーブルの上で使うなど、工夫してみてください。


電車とバスを使ったソロキャンがおススメ!!

柏駅からバスで行くルート

実は、今回行こうと思った最大の理由が、電車とバスで行けるという点です。ogawa GRAND lodge FIELDは、JR柏駅からバスで40分弱で行くことができます。バスの本数が少ないのが玉に疵ですが、最寄りの「手賀東小学校入口」からキャンプ場までは、徒歩5分と至近です。東京駅を17時半頃に出発すれば、19時過ぎに到着できるので、会社帰りに行くこも可能です

私は、金曜日から1泊2日で利用したのですが、その日の朝、会社の最寄り駅のコインロッカーにソロキャン装備一式を預けて出社。逸る心を抑えつつ会社を早退し(笑)、電車でJR柏駅へ向かいました。

柏駅には、16時40分頃に到着。駅前のコンビニで食料等を調達し、柏駅東口にある東武バス乗り場へ。

バスは1番乗り場発の「柏25布瀬行き」になります。17:05発に乗車し、「手賀東小学校入口」に着いたのが17:43分。

10月下旬ということもあり、辺りは真っ暗。

キャンプ場へは、県道282号線を柏方面へ戻れば正門へ行けるのですが、手前の解体業社の横道を行くと近道です。


但し、舗装されていない道路で、街灯もありませんからヘッデンは必須です(^_^;


因みに、そのまま道路を直進すると、左手に正規の入口があります。

車の場合は、こちらから入場することになります。


JR湖北駅から歩いて行くルート

因みに、体力に自信がある方なら、JR成田線の湖北駅から歩くという手もあります。最短ルートなら5km弱ですから1時間半ほどで行けます。

私は、帰りに湖北駅まで歩いたのですが、手賀沼の水門経由とチョット遠回りをしたので2時間程かかりました。


手賀沼周辺はサイクリングロードが整備されている。

手賀沼の水門。

水門脇の橋。水門好きにはタマラナイ(笑)。


手賀沼周辺は、のどかな田園風景が続いているので、天気の良い日には散策がてら歩くのもおすすめです。

手賀東小学校からのルートですが、GoogleMapでは、学校脇の道を勧められるかもしれませんが、このルートはお勧めしません。



途中から、道が雑草で覆われており、軽い藪こぎをするハメになります(苦笑)。


因みに、私のソロ装備は14kgあるので、かなりしんどかったです。

うーん、やっぱり歩くなら装備を見直さないとなー(苦笑)。


高規格ながら手作り感のあるアットホームなキャンプ場

オガワ初の直営キャンプ場ということで、行く前から期待値は高かったのですが、それを裏切らない環境と施設の充実ぶりに、私も大いに満足しました。

キャンプ場には、いちごのビニールハウスも併設されており、シーズンにはいちご狩りが楽しめます。何と、いちごの育成も、オガワのスタッフが行っているということで、その本気度が伺えます。

シーズンは、12月下旬から7月上旬ぐらいまでだそうで、私の行った10月末は、シーズンオフでした。いちご狩りの開催時期は、いちごの育成次第ということもあるので、具体的な日程はまだ決まっていないとの事。シーズンになれば、いちご狩りパックのような企画も考えているそうですから、興味のある方はオフィシャルのインスタをチェックしてみてください。

https://www.instagram.com/ogawa_grand_lodge_field/



さて、ogawa GRAND lodge FIELDは、高規格キャンプ場といえるほど設備が充実していますが、一方で、かなり手作り感を感じるキャンプ場でもあります。

私が訪れた時は、ソロサイトにサウナのトレーラーハウスが置いてあったのですが、サービス開始は未定でした。何でも、トレーラーハウスが来てから、「やっぱりシャワーも必要だよね」となり、水道工事や排水工事をどうするかで悩んでいるとの事。うーん、この手作り感が、何とも言えません(笑)。


トレーラーハウスを活用しているのも、工夫の結果だそうです。センターハウスと炊事棟は、元から有った建物を改修して使用しているのですが、トイレやシャワーなどの追加の施設を建築するためには、色々と法令上の問題があり、作業が難航。そこで、トレーラーハウスなら建築物にはならないということで、ようやく問題をクリア。


黒い穴のようなものが、モグラが掘り起こした土の山。

芝生の件についても、色々苦労があるようで、特に頭を悩ませているのが、モグラ対策。モグラが多いというのは、土壌的には良い事の表れなのですが、如何せん、そこら中に穴を開けて掘り返した土の山を築いてしまう厄介者。色々と駆除の方法も考えたそうなのですが、上手く行かないとスタッフの方が頭をかかえていました。

また、これからの本格的な冬にかけては、芝が枯れる季節になるので、その前に、焚火台対策を検討中との事でした。乾燥した冬場だと、火事になりかねないので、焚火台を乗せるブロックを貸し出すことなどを検討しているそうです。


そのほかにも、まだまだ建設中の所が多く、これからが楽しみでもあります。



アウトドアメーカーとしては老舗のオガワですが、キャンプ場経営は初めてですから、色々とトラブルがあるようです。そんなトラブルも、笑顔で解決しているスタッフの方々からは、会社らしからぬアットホームな雰囲気が漂っていました。

是非とも、手作り感のあるキャンプ場を営んでいってほしいと思います。



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