キャンパーの間でダイソーの名を不動にした商品と言えば、ダイソーメスティンこと500円のメスティンでしょう。
発売以来ロングヒットを続けており、最早キャンパーで持っていない人はいないんじゃないかと思えるぐらいです。ヒットの秘密には、500円という安さもさることながら、1合サイズというソロには丁度良いサイズ感にあったと思います。
そんな1合メスティンに、フッ素樹脂加工されたブラックメスティンが追加されました!!
ダイソーメスティンについて
俗にダイソーメスティンと呼ばれ、販売開始当時は瞬く間に店頭から消えた500円のメスティン。2000年に発売された当時は、1合サイズのメスティンは他に無く、私もその斬新さに目が惹かれたのを覚えています。ダイソーとしては、税別とは言えワンコインで収めたいという執念の結果だと思いますが、それがソロクッカーとしての優秀さに繋がったのですから、何が当たるか分からないものです。
その証拠に、1合メスティンはCanDoやドンキにも広がりを見せており、今では様々なお店で見かけるようになりました。
ドンキの店舗で山積みになっているメスティン。写真左側のSはダイソーと同じく1合サイズ |
ダイソーと同一価格で販売しているCanDoの1合メスティン |
ダイソーでは、その後、本家トランギアメスティンと同サイズの1.5合と3合が追加され、更に1.5合にはフッ素加工が施されたモデルが発売されました。
特に、フッ素加工モデルは、巷ではブラックメスティンとも呼ばれ、1000円というリーズナブルな価格も奏功して人気商品となりました。
ダイソー1合メスティンの比較
さて、そんなダイソーのメスティンシリーズですが、今回新たに追加されたのは、1合サイズのフッ素樹脂加工モデルということで、ある意味原点回帰とも言える商品です。
私が注目しているのは、これが、ダイソーオリジナル商品だという点です。
ダイソーメスティンのパッケージ。 上が1合メスティン、下が新発売の1合メスティンフッ素加工。 |
これまで追加されてきた1.5合と3合サイズのメスティンは、何れもサイバートレーディングという会社から調達してきた商品でしたが、今回の物は、500円で有名になった1合メスティン同様、ダイソーのオリジナル商品となっています(製造は中国)。
そのため、大きさだけでなく形状も全く同じ。
蓋を入れ替えてみると・・・
微妙にあいませんでした(苦笑)。
新発売のフッ素加工の方が僅かに大きいようで、旧メスティンの蓋がハマりません。
尤も、私が購入したのは2年前の製品ですから、その間にサイズがマイナーチェンジされた可能性はあります。
蓋の交換はできませんでしたが、サイズは基本的に同じですから、1合メスティン用の豊富なオプション品を組み合わせて使用することができます。
※オプション品の詳細についてはこちら
では、改めて詳細をチェックしていきます。
フッ素加工は、蓋も含めて全面に施されています。
ハンドルのリベット留めは3点と、旧メスティン同様。
ご飯の目盛りも、旧メスティン同様、ありません。
このへんを不便と感じるかは、使い方とスキル次第といったところでしょうか。私は、シェラカップで米や水の量を計るので、メスティンに目盛りが無くても問題ありません。
フッ素加工の品質は、残念ながらお世辞にも良いとは言えません。私の購入した個体は、外側の一部にムラがあったり、底にキズがあったりしました。
肝心の内側は綺麗にコーティングされていたので、使用上の問題はありませんが、品質面では値段相応ということを念頭に置いておく必要があります。
使用感について
さて、フッ素加工されたことは、ご飯を炊く上でも更に便利になったことは間違いありません。固形アルコール燃料で自動炊飯したところ、綺麗に炊きあがりました。
フッ素加工のおかげで、スプーンですくい出せば、簡単にご飯を取り出すことができます。
底部分は軽く焦げ目が付いていますが、メスティン側には全く焦げ付きはありません。
これなら、メスティン折りが無くても大丈夫です。
メスティン折りは、炊飯時に焦げ付いてしまうのを防ぐために、クッキングシートなどをメスティンの形に合わせて折った物のことです(詳しくはこちら)。
ダイソーからは、1合メスティン専用のメスティン折りが販売されていますが、フッ素加工のおかげで焦げ付かなくなったので、これが無くても手間いらずです。
また、蓋もフッ素加工されているため、これをフライパン代わりにすることも可能です。
フッ素加工について
フッ素加工とは、金属表面をフッ素樹脂でコーティングすることを指します。
フッ素樹脂は、非粘着性が高く(くっつきにくい)、摩擦係数の低い(滑りやすい)プラスチック素材です。融点が380℃、連続耐熱温度が260℃と高温に強いため、フライパンなどのコーティング材として使われています。
欠点は、素材としては比較的柔らかいため、耐摩耗性が低いことです。ですから、金属製のフライ返しなどを使うと簡単に傷が付いてしまうので、注意が必要です。また、耐熱温度が260℃ですから、焚火など高温になるような調理方法には不向きです。
今回の炊飯後に底を確認してみると、火があたっていた部分が丸く変色し、テフロンの黒色が少し白くなっています。
幸い、内側は問題ありませんでしたが、固形アルコール燃料の火力でもこの程度には樹脂が痛むので、使用に当たっては、あまり温度が上がりすぎないように注意が必要です。
まとめ
ここまで検証しておいて言うのも何ですが、私はメスティンでご飯を炊くのは正直好きではありません。長方形のメスティンは、ご飯を炊くのには決して良い形状では無く、炊きムラができやすいからです。本来、炊飯にとっては、クッカー全体に均一に熱が伝わるのが良いので、円形が最も適しているのです。羽釜がご飯を炊くのに最も適しているのは、そのためです。
アルコールバーナーと燃料ボトルを入れれば、ULクッカーセットが出来上がる。 |
とは言え、必要な道具をコンパクトにスタッキングして持ち運べるのは便利ですし、工夫次第で様々な用途に使えるのも魅力的です。しかも、フッ素加工されているため、焦げ付き難く、片付けもラクとなれば、ソロキャンプなどの場面で大いに活躍することは間違いありません。
さて、私にとって1合メスティンと言えば、串カツなのですが、フッ素加工なら焦げ付かなくて更に便利です。
これなら、ソロキャンプだけでなく、家族の人数分買ってファミリーキャンプでセルフ串カツというのも悪く無いかもしれません(ダイソーメスティンで作る串カツについてはこちら)。
フッ素加工一つで使い方が広がるのですから、まだまだダイソーの1合メスティンから目が離せません(笑)。