キャンプはしたことが無くても、バーベキュー(BBQ)は殆どの人がしたことがあると思います。
それほどメジャーなアウトドア料理のBBQですが、炭火の起こし方が分からない、あるいは苦手という方も多いと思います。
今回は、絶対に失敗しないBBQでの炭火の起こし方を解説したいと思います。
必要な物は3つだけ
先ず、失敗しないために必要な物を説明します。
①炭
当たり前ですが、炭が無ければ話になりません。詳細は後ほど説明しますが、品質の良い黒炭を使いましょう。
②着火剤
炭の火起こしを容易にしてくれるアイテムが、着火剤です。
最近では、ダイソーなどの100円ショップでも売っているので、必ず買っておきましょう。
③バーナー
着火剤は、ライター等でも火を点けることができますが、バーナーがあった方がより簡単に火を点けることができます。
カセットボンベのガス缶が使える物が、ホームセンターや、ドン・キホーテ、ダイソーなどで売っているので、1つは持っておきたいアイテムです。
BBQで肉より大切な炭
BBQと言うと、大抵の方が肉と答えるでしょうが、実は肉よりも大切なのが炭です。
炭の質が低いと、爆ぜたり、火の粉が飛んだり、煙が出たりと、BBQの楽しみが半減します。特に、火の粉が飛ぶと、衣服に穴が空いたり、火傷の元ですから、できる限り避けたいところです。
また、安い炭は、火持ちが悪く、頻繁に炭を足す必要があり、炭の大きさが揃っていないので使い難かったりします。
こういった、手間やトラブルがあると、折角の楽しい気分に水を差すことになりますから、BBQでの炭選びは、肉選び以上に重要なのです。
炭の種類
黒炭(ナラ炭)
燃焼時間:2~3時間
楢(ナラ)や椚(クヌギ)などの広葉樹の原木を、700℃前後で蒸し焼きにしたのが黒炭です。火が付きやすく、火持ちも良いのが特徴で、最もBBQに適した炭です。
代表的なのが、岩手切炭、北海道しおらい木炭などで、ホームセンターやネットで販売されています。
備長炭(白炭)
燃焼時間:3~5時間
樫(カシ)を主原料にして、1000℃以上の高温で蒸し焼きにした炭です。色が白っぽく見えるのが特徴で、とても火持ちが良い炭です。特に、紀州備長炭と言われる物は、ウバメガシを使っており、備長炭の中でも最高級品で、鰻屋や割烹などで使われています。
オガ備長炭(ちくわ炭)と言われる物は、おがくずを固めて作った物で、備長炭よりは安価ですが、品質は同等のため、焼き鳥屋などでよく使われています。
備長炭同士を軽く叩くと、キン・キンと、金属のような音がしますが、これは炭素純度が高いためで、火持ちだけでなく、匂いや煙も殆ど出ないので、最も料理に適しています。
但し、火付きがとても悪く、値段も高価なため、BBQには不向きです。
マングローブ炭
燃焼時間:30分~2時間
ホームセンターやドン・キホーテなどでキロ単価100円程度で販売されている安い炭です。マングローブなどの輸入材を原料にしており、火付きは良いですが、火持ちが悪く、爆ぜやすいです。
また、炭の大きさが一定せず、細かいカス炭からこぶし大を超えるような大きさの炭が入っており、とても使いづらいです。
安く入手できるため、ついつい手を出しがちですが、BBQに慣れてくるとデメリットの方が多いため、買わなくなる炭です。
炭火を上手に起こすための着火剤
炭は、そのままでは着火が難しいため、着火剤を使う必要があります。
昔は新聞紙を丸めて七輪に入れ、その上に炭を入れて火起こしをしたものですが、BBQコンロは持っていても、七輪を持っている人は少ないでしょうし、火起こしのためだけに七輪を持っていくわけにもいきません。
BBQコンロの上に新聞紙などを丸めて、その上に炭を置いて火起こしこすることも可能ではありますが、紙は灰が多く、風が吹くとその灰が飛び散ってしまうため、BBQではおすすめしません。
私がおすすめするのが、固形の着火剤です。パルプ等にパラフィンオイルを浸み込ませて固めた物で、火が付きやすく、10分程燃えているため、炭の火起こしに最適です。
着火剤には、ジェル状のアルコール燃料もありますが、これはおすすめしません。アルコールジェルを炭に垂らして燃やしても、炭の表面が燃えるだけで、火が付き難いからです。
極意は炭の組み方
巷には、炭の火起こし器などが売られていますが、炭の組み方を工夫するだけで、簡単に炭火を起こせるので、火起こし器は不要です。では、実際にBBQグリルだけで炭火を起こせる、炭の組み方をご説明しましょう。
使うのは、先にもご説明した通り、黒炭です。特にナラ炭の大きさが揃ったものは、炭を組みやすく、燃焼時間も一定しているので使いやすいです。
先ず、長方形に割った着火剤を並べます。写真では3~4人分の炭を起こしていますが、人数が多い場合は、並べる着火剤の量を調整してください。
次に、着火剤を囲むように炭を並べます。
その上に、屋根のように炭を置いていきます。
着火剤に火を点けるための窓を残して、炭を積み上げます。
着火剤にバーナーで火を点けます。
最後に着火剤の窓を炭で覆います。
あとは、このまま10~15分ほど放置して、着火剤が燃え尽きれば、火起こし完了です。
この方法であれば、火起こし中にうちわであおいだりしなくても、放置するだけで火が付きます。
以上、絶対に失敗しない炭火の起こし方でした。
BBQで、中々火が着かず困ったことがある方は、一度この方法を試してみてください。
何の苦労も無く火が着くハズです。
これから、BBQをするのに良い季節になりますので、楽しんでいただければと思います。