キャンプチェアや寝袋など、最早100円ショップの域を越えつつあるダイソー。
今回は、500円(税別)という激安のフォームマット「レジャーマット」について検証してみました。
フォームマットとは
フォームマットの「フォーム」とは、発泡という意味で、様々なプラスチック素材を発泡させたマットのことです。
フォームマットに使われている素材には、ポリエチレンやエチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリウレタンなどがあります。どの素材がよりマットに適しているかは、一概には言えませんが、サーマレストのZライトソルはEVA、ニーモのスイッチバックはポリエチレン、キャプテンスタッグはポリエチレンとEVAの混合となっています。
ダイソーのレジャーマットは、材料にポリエチレンとありますから、スイッチバックと同じ材料が使われています。さて、材料(主原料)が同じでも、添加剤や発泡方式によって、堅さや耐久性は大きく変わってきますから、当然レジャーマットがスイッチバック同等と言う分けにはいきません。
上がダイソーのレジャーマット、下がニーモのスイッチバック。 |
私は、たまたまスイッチバックを愛用しているので、この2つを比較していきたいと思います。
形状の比較
大きさは、ダイソーのレジャーマットが185×57cm、ニーモのスイッチバックが183×51cmと、ダイソーの方が少し大きいです。
一方、重量は、ダイソーが実測198g、ニーモが実測425g(カタログスペック415g)と、2倍以上の開きがあります。
折り畳んだ際の高さは、若干ダイソーが上ですが、マットの厚みはダイソーが約8mmなのに対し、ニーモは約9mmでした。ニーモは成形がしっかりしているため、折り畳んだ時のかみ合わせが良くコンパクトになるのに対し、ダイソーは折り畳みがふわっとしているため、それが収納サイズの差となっているようです。
フォームの形状は、ニーモが六角形を基調とした独特のセル構造になっているのに対し、ダイソーは、単純な半球形の凹凸構造となっています。
ニーモ独特の形状は、ダイソーよりも凹凸が大きく作られており、これによってマットの厚み以上の高さを稼ぐことで、底付き感を無くすことに一役買っています。
また、ニーモは、裏側に熱反射のためのアルミ蒸着処理がされていますが、ダイソーは特に処理はされていません。
この、セルの構造やアルミ蒸着の有無は、特に保温性に効いてきますので、それなりに差が出るところです。
ちなみに、ダイソーからは、100円でサイズが40×30㎝と小さい「レジャーマット」も販売されています。
ただ、こちらは更にペラくて、パターンもより単純になっているので、座布団としても微妙です。
感触について
そもそも、重量が2倍以上違いますから、ダイソーの方が明らかに柔らかく、指で押した時の反発力は数倍の差を感じます。
ただ、寝転がった時の差は、それほど大きくなく、フローリングの上に2つを並べて敷いて寝てみると、ダイソーも悪くはありません。勿論、寝心地はニーモの方が上ですが、値段程の差を感じません。
マットの上に座ると、明らかにダイソーの方が底突き感があるのですが、寝転がると体重が体全体で分散されることもあって、それほど大きな差には感じません。
実際の使用感
意外と使えそうということで、早速キャンプで使ってみました。
コットの上に敷いて一晩寝てみて、断熱性や寝心地を検証したところ、意外と使えるという結論に至りました。
当日の夜は、マイナス3度まで下がりましたが、特に寒さを感じることはなく、ニーモと殆ど遜色ない感じがしました。
尤も、シュラフがNANGAのオーロラライト600DXですから、この程度で寒さを感じるはずも無く、検証としては中途半端だったことを付け加えておきます(苦笑)。
ただ、寝心地に関しては、特に硬さなどは感じず、寝難いとは思わなかったので、ニーモじゃなくてもいけそうです(^ ^;
まとめ
ダイソーのレジャーマットは、確かに値段なりの品質なのですが、正直全く使えない程の粗悪品という訳ではなく、それなりに使える品質だったというのが正直な感想です。
今回は、シビアな断熱性のテストを行っていないので、ダイソーでもそこそこ使えるという結果になりましたが、直接地面に接するような場面での使用であれば、それなりの差が出ると思われます。
とは言え、コット寝程度であれば遜色無いのですから、7,000円以上出してニーモやサーマレストの高いフォームマットを買わなくても、ダイソーで十分かもしれません(汗)。
安いフォームマットとしては、キャプテンスタッグのEVAフォームマットがありますが、ダイソーのレジャーマットは、それに近い印象があります。
キャプテンスタッグは、2,500円前後の値段で販売されていますから、500円の爆安フォームマットのコスパは恐ろしい物があります。
今回、耐久性のテストは行っていませんが、重量や質感から考えて、耐久性があるとは思えません。ただ、フォームマットは、所詮消耗品ですから、この値段ならヘタったら直ぐに買い替えるという使い方ができます。
それに、嵩張ることを厭(いと)わなければ、2枚重ねにすることで、ダントツの快適性を手に入れることが出来ます。
2枚重ねにしても、1,000円。
うーん、これはやっぱり買いなのかもしれません(^_^;