2次燃焼のメリットは?!焚火台10選と共に解説

2022年3月21日

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ここ数年、2次燃焼というキーワードが大流行している焚火台。今年も、様々な製品のリリースが予定されています。

2次燃焼とは、薪が燃えている時に出た煙に含まれる可燃性ガスに、高温の空気を送り込んで更に燃やすことで、元々は家庭用薪ストーブで採用されていました。


薪ストーブの2次燃焼構造


これによって、薪の持つエネルギーを最大限に利用しつつ、煙の匂いや刺激を低減できるという効果があります。


本来、2次燃焼は、薪ストーブのような密閉空間でないと十分な効果が得られないのですが、焚火台でも一定の効果が得られ、中には2次燃焼の炎が美しい焚火台などもあることから、人気を呼んでいます。



今回は、2次燃焼の機構が組み込まれた焚火台をご紹介しつつ、そのメリット・デメリットも解説していきます。


2次燃焼のメリット・デメリット

メリット

一番は、やはり冒頭でも挙げたように、薪のエネルギーを最大限に取り出せることと、煙臭さを低減できることでしょう。

そもそも、2次燃焼を起こすためには、可燃性ガスを効率よく集めて、そこに空気を送り込む必要があるため、焚火台の形も箱型や円筒形になっていきます。つまり、元々の形が熱エネルギーを効率よく使えるような形になっており、更に2次燃焼で火力が高められるので、高火力が得られるというメリットがあります。

また、煙の中の可燃性ガスを燃やすことができるので、煙も比較的少なくなります。これによって煙臭さを抑えることができ、目や鼻への刺激も抑えることができます。

それから、2次燃焼機構のあるモデル、特に最初から2次燃焼機構が組み込まれているモデルは、熱効率が良いため、薪を灰になるまで燃やし切ることができるというのもメリットです。更に、火床が囲われた構造になっているため、風にも強く、比較的に火の粉が飛び散り難いというのもメリットと言えるでしょう。

あとは見た目です。2次燃焼の炎が大きく上がるモデルは、独特の炎を楽しむ事ができます。ただ、薪が豪快に燃えている炎を楽しみたいという場合には不向きとなるため、これに関しては賛否が分かれる所です。


デメリット

一番は、やはり鑑賞面です。2次燃焼の炎を楽しめるとは言え、薪の炎をナチュラルに楽しむという点では、オープンタイプの焚火台に劣ります。焚火台は、焚火の炎を存分に楽しめることが最大のポイントですから、考え方によっては大きなマイナスポイントとも言えます。

また、これは熱効率が良いことの裏返しになるのですが、薪が良く燃えるので火持ちが悪いです。モデルによっては、構造上、薪の組み方によって燃え方をコントロールすることが難しく、どうしても薪の消費量が多くなります。

更に、バーベキューコンロとして併用する場合は、火床が深いため、炭火の熱効率が落ちます。構造的に網などで底上げすることも難しいことから、基本的にはバーベキューには不向きです。

それから、機構上どうしても大きくなるため嵩張りますし、側板の2重化などによって重くなります。そのため、携行性の面ではデメリットとなり、特に荷物を軽くコンパクトにしたい場合には不利になります。

あとは、金額面ということになりますが、基本的には2次燃焼機構が組み込まれている分、パーツ数などが多くなるため、より高価になる傾向にあります。


2次燃焼機構のある焚火台

DOD めちゃもえファイヤー

出典:DOD

日本のアウトドアブランドとしては、おそらく初めて2次燃焼機構を採用した焚火台。

燃焼効率を高めることに特化して設計されており、外見はシンプルに見えるが、内部は空気の流れを最適化するために複雑な機構が取り入れられている。

折り畳み機構が無いため、嵩張るのが難点だが、40cmクラスの薪が使え、燃焼中でも灰を簡単に捨てられるアッシュトレイなど、デメリットを補ってあり余る機能を搭載している。

DODらしい、独自性の光る焚火台。

尚、サイズについては、よりコンパクトな「ぷちもえファイヤー」もリリースされている。


キャプテンスタッグ ファイアブースト ストーブ

出典:キャプテンスタッグ

形状を縦長にしつつ上部を絞ることで、煙突効果によって空気の流れを良くしつつ、上部の空気穴で2次燃焼を促す機構を備えている。

燃焼効率が高いだけでなく、火力が上部に集中するため、非常に高火力なのが特徴。そのため、商品名にもあるように焚火台というよりはストーブという感じで、薪を利用した調理に向いている。

収納時は折りたたむことができるので、コンパクトになるのも大きな特徴。

日本のアウトドアメーカーとしても長い歴史を持つ、キャプテンスタッグの面目躍如と言える製品に仕上がっている。


ソロストーブ レンジャーキット

出典:SOLO STOVE

恐らく、世界で最もポピュラーな2次燃焼機構を持つ焚火台。
商品名に「ストーブ」とあるように、鑑賞目的の焚火台というよりは、調理などを主目的としている。
円筒形に由来する火力は他の追従を許さないだけでなく、2次燃焼の炎の美しさでもトップクラス。


出典:SOLO STOVE

惜しむらくは、分解できないので嵩張るという点だが、機能性と耐久性を考えれば当然と言うべき。

サイズは、ソロ向けのライトから据え置き型のユーコンまで全6種類が展開されている。


尾上製作所(ONOE) CAMBi Ⅱ

出典:尾上製作所

武骨な鉄のギアに定評のあるONOEの焚火台。

元々、長い3本の脚を持つ日本伝統の篝火を意識した形状の焚火台「CAMBi」の進化版。

バケツのような本体に外装を付けることで2重化し、燃焼効率の向上と2次燃焼化を図った焚火台。円筒形で燃焼効率が非常に良く、最後は灰しか残らないほど。

ONOEらしいヘヴィ級のゴトクが付属しており、10インチクラスのダッチオーブンでも楽々調理できる。

惜しむらくは、脚が短いため、芝生などへのダメージが避けられず、何らかの工夫が必要な点。


モンベル フォールディング ファイヤーピット

出典:モンベル

2020年に発売されたモンベル初の焚火台。側板が2重化されており、外側のスリットから吸気された空気が、内側の小さな丸穴から排気され、2次燃焼を促進する。

底が深い箱型のため、燃焼効率が非常に良く、薪をほぼ完全に燃やし尽くすことができる。



2022年は、ソロ向けに一回りコンパクトなSが登場。


※詳細レビューはこちらをご参照ください。

モンベル初の焚火台「フォールディング ファイヤーピット」が超優秀だった!


PETROMAX アタゴ


ペトロマックスの焚火台。カタログ上では2次燃焼を謳っていないが、本体が2重化されており、丸穴から吸排気されるため、構造的には2次燃焼を促進する形状になっている。

非常に熱効率が良い上に、設営・収納がワンタッチでできるなど、よく考えられたギミックが、ペトロマックスらしさを表している。

12インチクラスまでのダッチオーブンがすっぽり収まるため、底面だけでなく側面からも加熱調理することが可能で、ローストチキンもムラなく綺麗に全体を焼くことができる。


Mt.SUMI(マウントスミ) バッドボンファイヤー


京都の宇治炭山に事務所を構える新興のアウトドアブランド。
初期は、新保製作所のロマンチカル薪ストーブのパクリとしか思えない商品を販売していたが、最近はオリジナル性のある商品を展開するようになった。
バッドボーンファイヤーは、つぼみ(BUD)をイメージした8角形の焚火台。各パネルを2重化し、下部のスリットから吸気した空気を上部の丸穴から排気して2次燃焼を促す。
最大直径は49cmと、ソロストーブのレンジャーを凌ぐほどで、かなり大型な焚火台。
組み立て時の大きさの割には、収納サイズがコンパクトなのが特徴。


DCM ヘキサファイアピット


「ケイヨーデイツー」や「くろがねや」に代表されるDCM系列のホームセンターで販売されている薪ストーブ。

本格的な2次燃焼機構が採用されているのに、7,128円(税込)という値段が魅力的。

多角形型のため、上記バットボンファイヤーに近い形をしているが、大きさは直径約40cmと、焚火台としては標準的な大きさ。

底から地面までの距離が十分でないこともあり、芝生の上で直置きするのは避けた方が良いが、コスパに優れた商品ではある。

購入は、DCMのWEBサイトでも可能。


https://www.dcm-ekurashi.com/goods/807767


2次燃焼機構が追加できる焚火台

スノーピーク フローガ L

出典:スノーピーク

スノーピークを代表するアイテムである「焚火台」。その「焚火台 L」にアドオンすることで2次燃焼機構を追加できるのが、このフローガ L。

元々、逆ピラミッド型で燃焼効率には定評のあった焚火台に、風防兼2次燃焼機構を追加することで、更に燃焼効率を高め、高い火力を得ることができる。

惜しむらくは、Lサイズしかリリースされていないことで、SやMなど他のサイズのバージョンも期待される。


ベルモント チムニースクリーン

出典:ベルモント


ベルモントの大ヒット焚火台「TOKOBI」にアドオンできる、2次燃焼パーツ。

TOKOBIは、火床にステンレスメッシュを採用している軽量モデルのため、熱効率の点で劣り、風にも弱いという課題があったが、それを見事に克服できるのがこのチムニースクリーン。

箱型のスクリーンを追加することで、周囲を囲い熱効率がアップ。更に、空気がパネル内の2重化された内部を通り、上部の穴から送り込まれ、2次燃焼を促す。


出典:ベルモント
写真はオプションパーツのアイアンプレートも装着した状態。


これにより、課題であった燃焼効率がアップし、燃え残りも殆ど無い状態にまですることが可能となる。


まとめ

以上の通り、2次燃焼機構のある焚火台は、確かに多くのメリットがありますが、その裏返しとしてのデメリットもあります。


メリット

  • 高効率で高火力
  • 煙が少ない
  • 風に強い
  • 燃え残りが少なく、ほぼ灰になる
  • 2次燃焼の炎が楽しめる


デメリット

  • ナチュラルな焚火を楽しむのには不向き
  • 高効率なため、薪の消費量が多い
  • バーベキューには不向き
  • 2次燃焼機構があるため、大きく、重い
  • 高価なものが多い


今回ご紹介した焚火台ですが、燃焼効率の点で言えば、円筒形のソロストーブとONOEが間違いなくトップクラスです。ほぼ同位で、キャプテンスタッグ、その後がDOD、モンベルといった順です。

私は、2次燃焼の高効率性に期待してモンベルを購入しましたが、箱型のため、燃やし始めから暫くは、どうしても燃焼に偏りが出ます。焚火台が十分に熾火で満たされれば綺麗に2次燃焼しますが、中々そうはいきません。この辺は、やはり筒形で縦長のソロストーブなどにはかないません。

一方、高効率に燃やせるという特徴は、多少湿った薪でも強引に燃やせるということにつながるので、特に薪を現地で拾って使う場合には、威力を発揮します。鑑賞性を多少犠牲にしても、薪を現地調達するのであれば、こういった高効率な焚火台は重宝することになります。

そういう意味では、後から2次燃焼機構を追加できるスノーピークやベルモントのモデルは、気分やシチュエーションに合わせて1台で2役をこなせるのは大きなメリットと言えるでしょう。

皆さんも、どれが一番自分の焚火のスタイルに合うかを考えて選んでみてください。













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