冬こそコットがおすすめな3つの理由

2022年2月28日

キャンプtips キャンプ入門

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 寒い冬のキャンプ。

様々な防寒対策がありますが、冬こそコットをおすすめしたいと思います。


冬のキャンプ。テンマクデザインのサーカスの中でトヨトミレインボーを焚きながらコットで寝ている


コットを有効に活用すれば、高い冬用シュラフの1ランク分ぐらいの効果があります。

では、何故かと言うと、3つの理由があるからです。


その1 グランドに体温を奪われるのを防ぐ

その2 効率よく暖房効果が得られる

その3 ワンポールやパップテント(軍幕)と相性が良い


では、細かく説明していきましょう。


グランドに体温を奪われるのを防ぐ

最早、説明の必要も無いかもしれませんが、コットを使う最大の理由が地面に体温を奪われないようにできるという点です。

サバイバルでは、体温を守ることが最も重要とされています。特に寝るときは、できるだけグランドからの冷気を防ぎつつ、自分の体温が逃げるのを抑える必用があります。


コット


そこで、最も有効な手段がコットということになります。コットを使うと、グランドからの距離が保てるため、体温が逃げにくいのです。意外かもしれませんが、空気は熱を非常に伝えにくいので、コットを使ってグランドと体との間に空間を作ることは、防寒対策上、非常に有効です。

コットを使うと、グランドの冷気を防げるとよく言われますが、実は、冷気を防ぐ効果よりも体温が逃げることを防止する効果の方が高いのです。


図で説明しましょう。


直寝とコット寝の模式図


直接、地面に寝ていると、体温がどんどん地面に奪われます。地面は、水分と土でできていますが、いずれも熱伝導率が空気に比べて非常に高いため、何もせずに直接寝ていると、一気に体温を奪われることになります。

そこで、コットを使って地面と体の間に空間を作ることで、間の空気が熱を伝えるのを防いでくれるという分けです。誤解を恐れずに言えば、地面との間に大きなダウンジャケットを置くようなものです。


効率よく暖房効果が得られる

冬キャンプにおいて、最早煖房を一切使わないという人は少数派でしょう。

私も、石油ストーブから薪ストーブまで、多くのストーブを使っています。


薪ストーブ、石油ストーブ、ガスストーブ


テント内でストーブを使う場合、勿論換気に気を付けるのは大前提となりますが、ストーブで温められた空気をいかに有効活用するかというのも大きなポイントになります。


ストーブで温められた空気は、テント内の上の方へと上昇していきます。そのため、テント内は天井から順に暖かくなっていきます。これは、反射式ストーブと言われる、反射板が赤外線を前方に反射する方式のストーブでも同様です。

これは、ストーブファンを使うことで多少軽減できますが、それでもテントの上の方が暖かくて、下の方が寒いのは避けることができません。

そこで有効になるのが、コットというわけです。コットで少しでも高さを稼ぐことで、より暖かい空気を有効利用できます。


私は、普段のファミリーキャンプでは、大型のテント内で、薪ストーブなどを使っています。真冬の雪中キャンプでも、薪ストーブと石油ストーブを併用すると、テント内は30℃を超えることもあります(笑)。


トヨトミのKS-67Hとテンマクデザインの薪ストーブ、iron-stoveちび


ところが、それだけ暖かくしても、お座敷スタイルで座っているとかなり寒さを感じます。あまりに寒いので、温度計で測ったことがあるのですが、地面から1mあたりは20℃以上あっても、地面から20cm辺りは5℃前後しかありませんでした。

このことからも分かる通り、暖かい空気はどうしても上に溜まるため、自分自身が上にいる方が暖かいというわけです。


ここで重要になるのが、コットの高さです。

最近販売されているコットは、高さが40cm前後のコットと、20cm以下のローコットがあります。当然お勧めするのは、高さがある通常のコットです。暖房効果を考えれば、40cm以上を基準にすると良いでしょう。


コットの脇に置いたトヨトミのレインボーストーブ


というのも、石油ストーブを使用する場合、石油ストーブの高さより上が先に温まりますので、それと同等の高さが望ましいからです。

キャンプで使われる石油ストーブとして最もポピュラーなトヨトミのレインボーストーブは、高さが約47cmありますから、それより下はなかなか温まりません。そう考えると、40cmというのが一つの基準になることがお分かり頂けると思います。


ワンポールやパップテント(軍幕)と相性が良い

これは、既にお使いの方ならお分かりかと思いますが、テンマクデザインのサーカスや、俗に軍幕と言われるパップテントのうように、グランドシートが無いテントは、コットとの相性が非常に良いという点です。

元々、グランドシートの無いテントは、密閉性に欠け、冬場は寒いのですが、コットで嵩上げすることで、かなり快適になります。


サーカスコットンバージョン。冬の洪庵キャンプ場にて。


勿論、グランドとの隙間の問題があるので、風の強いキャンプ場では暖房効果もあまりありませんが、それでもスカートの下から吹き込む隙間風が直撃することを避けることができるのはありがたいです。


また、ワンポールや軍幕は、三角形をしているため、テント内の上部体積がドームテント等に比べて少ないという特徴があります。そのため、暖かい空気がより上の部分に溜まりやすいため、コットでの嵩上げが効いてきます。


私も、あまりに寒い時は、コットの上で胡坐(あぐら)をかいて過ごすことがありますが、ストーブを使っている場合は、僅かなことですが、ローチェアに座るよりずっと暖かく感じます。


コット利用をより快適にすためのテクニック

冬キャンプでのコットの有効性はお分かり頂けたかと思いますが、これまで述べた以外に、多少のテクニックがあるので、おすすめのコットと合わせてご紹介します。


先ずは断熱についてです。既に、空気の熱伝導率が低いというお話をしましたが、とは言え、何もしなければ体温は空気中に逃げていってしまいます。これは、コットを使用していても同じことですので、断熱する必要が出てきます。

そこで、コットの上に断熱性の高いマットを敷くことで、寒さを大きく軽減することができます。私が使っているのは、ウレタンフォームマットです。冬以外の3シーズンは、寝心地優先でコールマンのインフレーターマット ハイピークという極厚のマットを使用していますが、コットであれば地面に直接寝るより寝心地が良いので、ウレタンフォームマットでも充分です。


ウレタンフォームマットを普通に敷いた状態

ウレタンフォームマットの裏面を上にした状態。


ウレタンフォームを使用するにあたって1つポイントがあります。サーマレストやニーモに代表されるウレタンフォームマットの多くは、片側に熱反射のためのアルミが蒸着されています。普段、グランドに寝る場合は、グランドからの冷気を反射するためにアルミ面を下にしますが、コット寝の場合は、アルミ面上にして自分の体温を反射するようにします。

あまり大差は無いでしょうが、少しでも体温を空気中に逃がさないための対策となります。



グランドからの冷気対策として、コットの下に荷物を置くという方がよくいますが、これはやらないよりはマシという程度であまり効果は望めません。

何故かというと、コット下の空間は空気による断熱層のような物で、荷物を置いたから冷気が伝わりにくくなるという分けではないからです。ただ、コットの下の空気が対流することで、より冷たい空気がコット下に入って来ることを防ぐ効果はあります。

コット上で寝ている時、体温は主に上下に放射されますが、温度差が高い程、熱が伝わりやすくなります。そのため、コット下に空気の流れによって冷たい空気がどんどん流れ込んでくると、寒さを感じることになります。

これを防止するのに、荷物を置くのはある程度有効になりますが、むしろ、無駄な空気の流れを防ぐ方が有効ですので、特にワンポールやパップテントの場合は、スカートを内側に折り込んで荷物を置くなどして、より隙間風を少なくする方が効果があります。


コット選びのポイント


最後におすすめのコットですが、とにかく高さと丈夫さで選びましょう。

私が使っているのは、QUICKCAMPのフォールディングキャンピングベッドです。

価格が5~6千円と安く、耐荷重が100kgあるので、BMIが気になる私でも、安心して使うことができます。

また、座面の幅が65cmと比較的広い方なので、寝返りも打ちやすいです。

最近は、ハイとローを切り替えられるコットがありますが、ローで使うことは先ず無いので、無駄な機能になるでしょう。だいたい、ローコットの利点は、軽くてコンパクトという点なのに、切替機構を入れる事で無駄に嵩張って重くしているのは最早意味がありません(苦笑)。


まとめ

  • コットを活用して体温を守ろう
  • コットの上には断熱効果の高いマットを敷こう
  • 高さがあるほど、暖房効果も高くなる
  • グランドシートの無いテントと相性抜群
  • コットの下に荷物を置くよりスカートの隙間風対策を
  • 高さが40cm以上で幅広の質実剛健なコットを選ぼう
  • ハイ・ロー切り替えは無駄!


以上、冬こそコットがおすすめな3つの理由でした。

皆さんの冬キャンプライフの一助になれば幸いです。





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