モンベル マルチフォールディングテーブルは新発想のハイ・ロー・ザが凄い!

2021年12月15日

キャンプ沼

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私は、キャンプで最も重要なアイテムは、チェアとテーブルだと思っています。キャンプで最も長時間過ごすのは、チェアに座っている時ですし、当然テーブルもセットで使うからです。

我が家には、キャンプ用チェアが20脚以上あるため、妻からは「あんたの尻はいくつに割れとんねん!!」とよく突っ込まれています(苦笑)。

一方、テーブルについても、ロールテーブルから焚火テーブル、果ては自作まで、色々と持っているので、これ以上不要と思っていたのですが、妻が珍しく追加購入を認めてくれたのが、今回ご紹介するモンベルの「マルチフォールディングテーブル」です。


モンベル マルチフォールディングテーブル


発売から暫く経っていますが、急激に人気が出たのか、今年の春頃から半年近く在庫切れしていました。私も、10月末にようやく手に入れる事ができ、妻も喜んで使っています。


このテーブルの特徴は、以下の4点です。

  • 高さが3段階に切り替えられる
  • 組み立てが簡単
  • 軽量・コンパクト
  • 強度が高くデザインも良い


キャンプテーブルは、その構造上いくつかの種類があります。

最もスタンダードなのが、二つ折りタイプで、コールマンやキャンパーズコレクションなど、多くのブランドがこのタイプのテーブルをリリースしており、最もポピュラーなタイプと言えます。


コールマン コンフォートマスターバタフライテーブル
コールマン コンフォートマスターバタフライテーブル。組み立てが早く、ウッディーで高級感があるが、長辺で二つ折りにするので、収納時の長さが120cmと嵩張る。


一方、最近猛威を振るっているのが、木製のロールテーブルです。クロスフレームの脚を拡げてロール天板をセットするだけと、組み立てが簡単で、インスタ映えもバッチリと、多くのキャンパーから支持されています。


フィールドアのウッドロールトップテーブル(90cmモデル)。ナチュラルウッドの質感が良いが、高さは変更できない。また、天板はゴムベルトをピンで留めているだけなので、経年劣化でゴムが痛むと交換が困難。


さて、そんな中で、全く新しい発想で作られたのが、モンベルのマルチフォールディングテーブルです。


モンベルのマルチフォールディングテーブル


最大の特徴は、横から見ると台形を上下に重ねたような、独特のフレーム構造にあり、これによって、高さを3段階に変えることができます。


モンベル マルチフォールディングテーブルのフレーム構造


このモンベル独自の構造は、「ハイローザシステム」と呼ばれ、特許出願中とのこと。私も、様々なテーブルを使ってきましたが、高さが変更出来てコンパクトというのは中々ありそうで無いのが実情です。

2つ折りのタイプは結構嵩張りますし、木製ロールテーブルは高さが変更できず、基本ロースタイルのみとなります。コールマンのナチュラルウッドロールテーブルは、高さが変更できますが、収束型のフレームがあまりコンパクトにはならないのと、組み立てがやや複雑です。

モンベルのハイローザシステムは、この問題を見事に解決しています。


ハイローザシステムとは

ハイローザは、「ハイ(Hi)、ロー(Low)、座(Za)を表しており、それぞれ67cm、54cm、39cmの高さに調整可能です。


ハイローザシステム
出典:モンベル


フレームには軽量で強度に優れたアルミニウム合金が使用されており、ポールを差し込んで広げるだけで簡単に組み立てられます。


高さに関しては、ハイは一般的なダイニングテーブルより少し低めで、ディレクターズチェアなどが丁度合う高さです。


ハイ状態のテーブルとチェアの比較


ローは、カーミットチェア系のウッドチェアなどに丁度良い高さです。


ロー状態のテーブルとチェアの比較


ザは、丁度リビングテーブルに近い高さで、カーミットチェア系か、コールマンのコンパクトフォールディングチェアに合う高さです。


ザ状態のテーブルとチェアの比較


ザ(座)は、地面に座って使うスタイルの場合、少し高さを感じます。というのも、一般的な家庭用こたつの高さ(35~6cm)より少し高いので、座って鍋を食べたい場合などには少し不便な高さとなります。

そのため、テント内で「ザ」で鍋をつつきたい場合は、コンパクトフォールディングチェアなどの、低めのローチェアと組み合わせることをおすすめします。


組み立てが簡単

ハイローザシステムの最大の特徴が、この組み立ての簡単さにあります。


折り畳まれた状態


①フレームを拡げて、ショックコードの付いたポールを穴に差し込む。


フレームを拡げて脚のポールを挿し込んだ状態


②高さをハイ・ロー・ザに合わせて、調節する


ハイの位置に合わせたポール
ハイ

ローの位置に合わせたポール
ロー

ザの位置に合わせたポール


③サイドフレームを取り付ける


サイドフレームの穴
サイドフレームには3段の高さに対応した穴が空いており、フレームを少し拡げ気味に引っ張りながら穴に差し込むことで固定される。


脚部フレームにサイドフレームを取り付けた状態


④天板を取り付ける


天板を取り付ける穴
天板をサイドフレームに取り付けるための穴が3つあり、高さに合わせてフレーム端の突起を挿し込む。
写真左端のキャップがされている穴は、天板をつなぐショックコード用。


ハイの状態のマルチフォールディングテーブル
ハイ

ローの状態のマルチフォールディングテーブル
ロー

ザの状態のマルチフォールディングテーブル


一見、複雑な構造に見えますが、極めて合理的に作られているため、マニュアルが無くても迷うことなく組み立てることができます。


脚部フレームの結合部分


高さを調整するポールは、ピン押し込んで長さを調整し、ジョイント部分のくぼみに合わせるだけで、がっちりと留まります。収納時は、ポールを引っ張って抜くだけと、分解も簡単なのが良いです。


軽量・コンパクト

素材やサイズについてもまとめて見ましょう。

マルチフォールディングテーブルは、私の購入した「ワイド」以外に「ノーマル」があります。


【素材】

フレーム:アルミニウム合金、スチール

天板:メラミン樹脂、グラスファイバー、ポリプロピレン


【サイズ】

マルチフォールディングテーブル

マルチフォールディングテーブル
出典:モンベル


重量:2.71kg(バッグ込み:2.83kg)

サイズ:高さ67・54・39×幅71×奥行き70cm

収納サイズ:高さ11×幅17×奥行き70cm


マルチフォールディングテーブル ワイド

マルチフォールディングテーブル ワイド
出典:モンベル


重量:4.33kg(バッグ込み:4.49kg)

サイズ:高さ67・54・39×幅112.5×奥行き70cm

収納サイズ:高さ19×幅18×奥行き70cm


素材は、フレームがアルミニウム合金、天板はグラスファイバーですから、木製ロールテーブルに比べてかなり軽量です。


ウッドロールトップテーブル(左)とマルチフォールディングテーブル(右)
ウッドロールトップテーブル(左)とマルチフォールディングテーブル(右)。
ザの高さにすると、ウッドロールトップテーブルより少し低い。


私の持っているフィールドアのウッドロールトップテーブルは、幅90cmタイプで重量が7.4kgもあるので、幅がそれ以上に大きくて3kg以上軽いマルチフォールディングテーブルは、持ち運びも含めてとても使いやすいです。


ウッドロールトップテーブル(左)とマルチフォールディングテーブル(右)の収納時の大きさ比較
ウッドロールトップテーブル(左)とマルチフォールディングテーブル(右)の収納時の比較。

収納に関しても、サイドフレームが折り畳めるマルチフォールディングテーブルの方が、よりコンパクトになります。ウッドロールトップテーブルは、収納時の長さがテーブル幅と変わらないため、車載時に悩むことになるため、この差は大きいです。


スタッフバックに収納した状態


付属のスタッフバックもしっかりした造りで、中には間仕切りもされているため、天板とフレームが擦れて傷が付くこともありません。


間仕切りが入ったスタッフバック


強度が高くデザインも良い

強度面においては、耐荷重が約30kgですから、コールマンや多くの木製ロールテーブルとスペック上は同じです。ハの字に開いたフレームは、一見弱そうに見えますが、サイドフレームも含め全体で力を上手く受け止める構造になっているため、見た目以上の強度があります。

肘をついてもガタツキも無く、天板が外れることもありませんから、重い鍋などを乗せても安心感があります。


天板は、グラスファイバー製のハニカム構造で、強度と軽量性を両立させており、塗装はメラミン樹脂で高級感あふれる仕上げになっています。


ハニカム構造の天板
グラスファイバーをハニカム構造にすることで強度と軽さを両立している。


メラミン樹脂は、高級家具でも使用されている素材で、耐衝撃性・耐摩耗性、耐水性、対候性に優れており、アウトドアユースにおいても高い性能を発揮します。マルチフォールディングテーブルの塗装は、木目調で高級感があるだけでなく、塗装の厚みもあるので、耐久性も高いです。


マルチフォールディングテーブル(左)とコンフォートマスターバタフライテーブル(右)の天板
マルチフォールディングテーブル(左)とコンフォートマスターバタフライテーブル(右)の天板。

同じメラミン塗装のコールマンのコンフォートマスターバタフライテーブルと比較すると、コールマンがプリントで木目を表現しているのに対し、モンベルはメラミン樹脂を塗り重ねることによって凹凸を出して木目を表現しています。


マルチフォールディングテーブルのメラミン塗装のアップ
マルチフォールディングテーブルのメラミン塗装。触ると凹凸がある。


これは、高級家具などで使われている手法で、よりナチュラルウッドに近い感触に仕上げられています。私も、様々なアウトドアテーブルを見てきましたが、ここまで本格的な塗装が行われている製品は初めてです。


更に、天板はリバーシブルデザインになっており、角にはモンベルのロゴがあしらわれています。


リバーシブルになっている天板

リバーシブルになっている天板


このロゴも、プリントではなく、くり抜いて別パーツをはめ込むという拘りよう、デザイナーのセンスが光ります。



ブランドロゴが入っていることに関しては賛否両論あるでしょうが、私は個人的には気に入っています。

フレームの色も、モンベルカラーとも言えるブルーが綺麗で、個人的には好きですが、これは茶色系の色の方が良いかもしれません。折角高級感のあるテーブルですから、カラーバリエーションがある方がベターだと思います。


唯一の弱点は、耐熱性に劣る点です。グラスファイバー製とは、つまりはプラスチック素材ですから、長時間高温に晒されると熱で溶けます。私の持っている、同じくグラスファイバー製のコールマンのバタフライテーブルは、以前テーブル上でガソリンツーバーナーを置いて料理をしたところ、熱で少し凹んでしまい、私も凹みました(苦笑)。



ですから、バーナーを使用する場合は、耐熱シートや板を敷くなど、十分な熱対策が必要です。


私は購入しませんでしたが、フレームの脚部に取り付けられるボードがオプションで販売されており、これを付けると、テーブル下に色々と小物を置くことができるようになり、更に利便性がアップします。


オプションのボード
出典:モンベル


以上、モンベルのマルチフォールディングテーブルについて、いかがでしたでしょうか。軽量・コンパクトで、使いやすくデザインも良いので、妻が珍しく私のキャンプ沼に同意したのも頷けます。

価格は、ノーマルが¥16,390、ワイドが¥21,450(いずれも税込)と、一般的なキャンプテーブルよりは高いですが、一生モノと考えれば、決して高くはないと思います。




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