最近流行のクラフトコーラ。
コーラと言えば、コカ・コーラが最もメジャーですが、そのレシピは未だに門外不出。創業当初はコカの葉(コカインの原料)とコーラの実を使っていたため、コカ・コーラという名前になったと言われていますが、今ではどちらも使用されていません。噂では、7xと言われるナゾの香料と、スパイス、ハーブ、柑橘類を調合して作られているのだとか。
さて、コカ・コーラのレシピは別として、一般的なクラフトコーラと言われるコーラシロップは、クローブ・カルダモン・シナモン・バニラの4種類のスパイスが基本になっています。これに、レモンやオレンジなどの柑橘類と砂糖を加えて煮だした物がコーラシロップになります。
市販されているコーラシロップを買うのも良いですが、意外と簡単に作ることができるので、自作に挑戦してみることをおすすめします。
コーラシロップは、炭酸で割るだけでなく、カクテルに使ったり、牛乳と混ぜるなど、様々な使い方ができます。また、ソーダメーカーを使えば、キャンプ場近辺で汲んだ名水を使った完全オリジナルのクラフトコーラが作れます。
では、早速クラフトコーラのレシピと作り方をご紹介しましょう。
クラフトコーラのおすすめレシピ
クラフトコーラに使うスパイスは、クローブ・カルダモン・シナモン・バニラが基本で、何れもスーパーなどで簡単に手に入ります。
【基本レシピ 約500ml】
- クローブ:5g(50粒)
- カルダモン:5g(30粒)
- シナモン:3本
- バニラ:エッセンス6滴、またはビーンズ8cm前後
- レモン:1個
- 砂糖(あれば三温糖):150g
- 水:450ml
- カラメル 砂糖(あれば三温糖):60g、水20ml
スパイス3種(クローブ、カルダモン、シナモン)は、粉末を使うと最後にろ過してもシロップ内に残ってしまうので、ホールの方がおすすめです。
バニラはバニラビーンズが手に入ればベターですが、バニラエッセンスで代用可能です。
砂糖は、白砂糖でも構いませんが、三温糖の方が風味が良いのでおすすめです。
以下は、これに追加して使用するアレンジレシピです。
【アレンジレシピ】
- コーラナッツ:小さじ1(コーラの風味により近づける)
- オレンジ:1個(コーラの風味により近づける)
- コリアンダー:大さじ1~2(爽やかな香り)
- ナツメグ:大さじ1~2(独特の香り)
- 黒コショウ:数粒(よりスパイシーに)
- ダークラム:20~30ml(独特の香りとコク)
- コアントロー(オレンジリキュール):20~30ml(柑橘系の香りとコク)
- 生姜の絞り汁:1片程度(辛口に)
- レモンの絞り汁:1個分程度(酸味を加えてスッキリと)
- ライムの絞り汁:1個分程度(酸味を加えてより爽やかに)
私のおすすめは、ダークラムとコアントローです。お菓子作りにも使えますから、お酒を飲まない方でも、300ml程度の小瓶もありますので、試しに購入してみてください。
生姜もおすすめですが、入れすぎると辛くなりますので味見をしながらお好みで調整してみてください。
クラフトコーラの作り方
では、実際の作り方を説明していきます。1つだけ注意点として、鍋はできればホーローをおすすめします。雪平鍋などのアルミ製の鍋でも使えないことはありませんが、アルミはレモンなどの強い酸性の食材に弱いため、ホーローがおすすめです。ホーローが無ければステンレスでも大丈夫です。
①カラメルを作る
コーラのあの独特の褐色は、カラメル由来の色ですから、先ずはカラメルを作ります。
色に拘らない場合は、砂糖をカラメル状態にせずそのまま使ってもOKですが、雰囲気を楽しむためにも、ここは一手間かけたいところです。
カラメル用の砂糖60gと水20mlを鍋に入れ、弱火で加熱していきます。
次第に、大きな泡が出てきて、色が付いていきます。
泡が小さくなったら終了のサイン。一旦火を止めて、少量づつ湯を加えます。
水のままでも大丈夫ですが、水を足すとカラメルが固まってしまうため、湯の方がベターです。
②砂糖、スパイス類、レモンを入れる
湯を全部入れたら、再び火にかけ、砂糖150gと、スパイス類、レモンを入れます。
レモンは輪切りにして、種を取っておきましょう。レモンの種は苦みが強いので、予め取っておくのがベターです。
レモンの代わりにオレンジを使うのもおすすめです。レモンは酸味が強く出るので、オレンジの方が穏やかになります。
この状態でひと煮立ちしたら、吹きこぼれないように中火~弱火にして10分程煮ます。
ダークラムやコアントローを入れる場合は、火を止める3分前ぐらいに入れてください。
③粗熱を取る
鍋を火から下ろし、粗熱を取ります。
④味を調える
粗熱が取れたら、バニラエッセンスを入れます。
この時に、生姜やレモンなどの絞り汁も入れます。
⑤1晩寝かして濾す
冷蔵庫で1晩寝かせてから、茶こしなどで濾します。
面倒な場合は、寝かさずそのまま濾してしまっても大丈夫ですが、一晩寝かせた方が香りが落ち着いて良いように思います。
完成したコーラシロップは、ペットボトルやビンなどに入れて冷蔵庫で保存してください。大体1~2週間は持ちます。
クラフトコーラシロップは、色んな物に使える
今回ご紹介したレシピは、5倍希釈が基準ですので、炭酸で割る場合は、「シロップ1:炭酸4」を基準にお好みで調整ください。私のレシピは、かなり甘味を抑えてありますので、物足りない場合は、ガムシロップやハチミツをチョイ足しすると良いでしょう。
さて、完成したコーラシロップは、クラフトコーラとして使う以外に様々な使い方があります。
コークハイ
コーラと言えば、最も簡単なカクテル「コークハイ」がおすすめです。私のレシピは甘味を抑えてありますので、スパイシーさがウィスキーに合います。
カクテルの女王と呼ばれる「マンハッタン」は、ウィスキーベースのカクテルですが、アンゴチュラビターズというリキュールを使います。アンゴチュラビターズは、リンドウから採取した苦み成分と、様々なスパイス・ハーブ類を、蒸留酒に漬けて作られたリキュールです。アルコール度数は44度と高く、舐めると苦みと僅かな甘み、そしてスパイシーさを感じるリキュールなのですが、これが淡泊なライウィスキーに独特の深みを加えてくれます。
クラフトコーラは、アンゴチュラビターズ同様かなりスパイシーなので、ウィスキーとの相性も抜群です。
ホットワイン
冬場の寒いキャンプ場では、温かい飲み物が飲みたくなるものです。
そんな時におすすめなのが、ホットワインです。ホットワインは、カルダモンとシナモンが基本のスパイスとなりますから、コーラシロップを使うことで簡単に作ることができます。
作り方は、シロップと赤ワインを1:4程度で混ぜ合わせ、ひと煮立ちさせるだけです。
沸騰してから数分煮れば、完全にアルコールが抜けるので、お子さんでも飲むことができますが、呑み助の方は、沸騰直前で火を止めて、アルコールが十分残っている状態で飲むことをおすすめします(笑)。
ホットウィスキー・トディ
ホットウィスキー・トディは、ウィスキーベースのカクテルです。スピリッツに甘みを加えて水で割るスタイルを「トディ」(toddy)と呼ぶのですが、ウィスキーに甘味を加えてお湯で割ると「ホットウィスキー・トディ」になります。
ホットウィスキー・トディのレシピは様々で、甘みは、砂糖の他に、蜂蜜、ジャム、マーマレードなど様々で、更にレモンやオレンジピール、シナモン、クローブなど様々なスパイスを加えます。
少し甘めでスパイシーなホットウィスキーというのが味の特徴ですから、コーラシロップを使うことで簡単に作ることができます。
ベースに使うウィスキーは、ピート香が少ない方が良いので、スコッチよりも、角瓶などのジャパニーズのブレンデッド、バーボン、カナディアンなどが向きます。
チャイ
インドのミルクティー「チャイ」も、クローブ、カルダモン、シナモンが基本スパイスなので、コーラシロップが使えます。
作り方は、ミルクティーにシロップを入れるだけです。シロップとミルクティーは1:5が基準です。
シロップにはレモンが入っているので、多少もろみが出ますが、一味違ったチャイが楽しめます。もろみが嫌な場合は、シロップにレモンを入れずに作り、コーラなどで使う場合は直前でレモン汁を足すという方法もあります。
コーラシロップを使う利点としては、市販のペットボトル入りミルクティーに使えるというのがあります。ペットボトル入りミルクティを少し飲んで、コーラシロップを入れてシャカシャカ振れば、チャイの出来上がり。とてもお手軽ですし、夏でも冷たいチャイを簡単に楽しむことができます。
他にも、ヨーグルトやアイスクリームのトッピングや、BBQソースの隠し味など、様々な使い方ができますので、クラフトコーラはキャンプとの相性もバッチリです。
私は、カレー粉も自分で調合して作るぐらいスパイス好きなので、クラフトコーラを作るようになってからは、ほぼ毎日いろんな形で飲んでいます。
皆さんも、自分の好みに合ったクラフトコーラのレシピを作ってみてください!