コーヒー道具一式を入れる収納箱を作った

2021年11月30日

DIY キャンプtips

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ちょっとローカルな話になりますが、奈良県のJR王寺駅前に王寺ファミリーという商業ビルがありました。中学生の頃、その1階にあった喫茶店で、初めて本格的なコーヒーを飲んだことが、私のコーヒーへの拘りの始まりでした。

それまで、所謂ブレンドしか飲んだことのない私にとって、これは一種のカルチャーショックでした。コーヒー豆にも様々な種類があり、キリマンジャロや、モカ、コロンビアなど、それぞれに個性があることを知った私がコーヒーにハマっていくのに、それほど時間はかかりませんでした。

自宅近所の商店街に、コーヒー専門店があったことも、私のコーヒー趣味に拍車をかけることになりました。コーヒーを豆で買い、挽きたての一杯を楽しむだけでなく、自分なりのブレンドを作ってみたりと、色々と試行錯誤したのも良い思い出です。


カリタのダイヤミルとハリオのコーヒーサイフォン「テクニカ」。
いづれも30年近い付き合い。


そんな私ですから、コーヒー道具も、電動のコーヒーメーカーから、サイフォンまで、様々な道具を持っています。以前は、日々の忙しさもあって、コーヒーメーカーを使うことが多かったのですが、テレワークが主流になって以来、ハンドドリップでコーヒーを嗜むようになりました。


ハンドドリップの場合、キャンプではユニフレームのコーヒーバネットを使っていますが(詳細はこちら)、自宅ではハリオのV60を使っています。



V60は、プラスチック製が主流だと思いますが、私はガラス製を使っています。予熱しておけば、プラスチック製より保温効果が高く、抽出時の温度にムラが出にくいというのが表向きの理由ですが、実際には、見た目の良さに惹かれただけです(笑)。

ガラス製のV60には、プラスチック製のスタンドが付属しており、これを使うことで、直接コーヒーサーバーの上に置いて抽出できるようになっています。実用上はこれで全く問題無いのですが、ひょんなことでネットでドリップスタンドを見つけたおかげで、この通り。



真鍮製のアームが美しく、V60にピッタリです。

これのおかげで、コーヒーを淹れるだけで楽しくなってしまいます(笑)。


さて、キャンプでもコーヒーを楽しむ私としては、当然、これ一式を持ち歩きたくなった訳ですが、収納が色々と面倒なことになりました。幸い、ドリップスタンドは分解できるので、アーム部分を台座から外してコンテナに収納し、V60は箱に入れてキャンプ場に持って行ったのですが、早朝のコーヒー1杯を淹れるのに、ドリップスタンドを組み立てるのが面倒になり、結局V60のプラスチック製スタンドを使うハメに(苦笑)。


これでは、何のために苦労してスタンドを持ってきたのか判りません。ということで、根本原因はスマートに収納できるようにしないと、面倒で使わなくなるということに気が付いた私。

これはもう、コーヒー道具一式を入れられる収納箱を作るしかないと思い、色々と試行錯誤。



折角ですから、最近始めた自家焙煎のためのロースターも収納できるようにして、焚火で煎りたての豆でコーヒーを淹れようと思い、設計図らしきものを書き上げたのが下の写真です(単位はcm)。



材料は、折角専用設計で自作するので、末永く使えるようにと、杉板を使うことに。本当は檜が欲しかったのですが、幅18cmの板がホームセンターに売っていなかったので断念。



カットは、ホームセンターでマシンカットしてもらう方が精度が高くて良いのですが、今回は自分でノコギリでカットしました。


カットしようと長さを計りだしてから気が付いたのですが、製材の精度が低く、板の上下で3mmぐらい幅が違います。



それで思い出したのですが、日本の材木は、加工精度がイマイチ低く、それを大工や木工職人がカンナで合わせるのが常なのです。ホームセンターで売っている合板やパイン材などの外国産材木は、規格統一されており工場で生産されているため、反り等はあってもサイズが整っているのですが、国産材は、伝統的にカットが良くも悪くもいい加減なのです(苦笑)。

これまで、DIYでは輸入材を主に使ってきたので気が付かなかったのですが、和材を使って茶箪笥のような物を作ろうと思った私が浅はかでした(>_<)


とりあえず、図面通りの長さにカットして、色々と試行してみたのですが、ミリ単位のずれは気にしないことにして、そのまま組み立てることにしました(笑)。一番は、これだけのために鉋(かんな)を買うのが面倒だったのと、たとえ鉋を買っても職人の様にはいかないのが分かっていたからです(苦笑)。


で、とりあえず組み上がったのがこちら。



途中の写真を撮り忘れてしまいましたが、十字の仕切り板は、切り込みを入れて組み合わせてあります。

また、各仕切り板の組付けは、木製の棚ダボを半分にカットして使っています。




こうすることで、外側から釘を打つのを避けることができ、外側をより美しく仕上げることができます。

組み上げた状態で、コーヒー道具を入れてみると、設計通りピッタリ収まりました。



塗装には、蜜蝋が主成分のアンティークワックスを使用。色は渋めを意識してウォルナットをチョイス。



これを、布で塗り込んで、扉とハンドルを付けて完成。



素人仕事にしてはマズマズの出来栄え(自画自賛)。





扉は蝶番を使って観音開きにしてパッチン錠を取り付けてあります。
箱板は、4隅を釘で留めて、裏側は板を釘で留めているので、それなりの強度があるのですが、表側は扉になるため強度不足となります。そのため、箱板の四隅を、黒のL字金具で補強しています。

内側の工夫としては、V60のサーバーとドリッパーは、何れもガラス製ですから、コルクシートを敷いて固定するようにしています。



サーバーは直径8cm、ドリッパーは直径10cmの穴をコンパスカッターで空けて、その中に丁度はまるように作ってあります。



ドリップスタンドは、アームを直角に曲げて、珈琲考具のドリップポットと一緒に収納。

これなら、分解せずに収納できるので、取り出して角度調整をするだけで直ぐに使えます。



その横には、ポーレックスのコーヒーミルと、ユニフレームの焚き火ロースターが収納できます。



自家焙煎は最近始めたばかりですが、生のコーヒー豆は、行きつけのコーヒーショップから購入しています。自家焙煎することで、浅煎りから深煎りまで、風味の変化を楽しむことができます。
焙煎の深さ(焙煎深度)は、細かく分類すると8段階に分かれますが、煎りが浅ければ香りが爽やかで酸味の強い味に、深ければ香ばしく苦みが強くなります。

生の状態

浅煎り

深煎り

焙煎は、豆選び以上に味が変わるので、好みの味を見つける楽しさがあるだけでなく、気分によって飲みたい味に変えて飲むこともできます。但し、焙煎には時間がかかるため、特に風のある屋外でやると、コーヒー一杯飲むのに小一時間かかってしまいますが(^ ^;




焚き火ロースターは、ハンドルが折り畳めるのでコンパクトに収納可能で、丁度この棚の奥行18cmにピッタリ合います。実は、この大きさが今回の収納箱を作る上でポイントになっています。棚の奥行が18cmで、箱の幅は36cmと丁度2倍の大きさになっているため、幅18cmの板の長さを、寸法に合わせて切るだけで出来上がるのです。


完成してから思ったのですが、脚を工夫しないと扉が机に引っかかって空けにくいので、後日ゴム脚などを追加する予定です。

それよりも、コーヒー道具一式を入れると、5.4kgと結構重いのと、幅36cm×奥行21cm×高さ33cmと、サイズがかなり大きくなってしまったのが最大の難点でしょうか。最近、ソロキャンプなどを通じてミニマルなキャンプに目覚めつつあったのですが、思いっきり逆行するモノを作ってしまいました(苦笑)



早速ですから、庭でコーヒーを一杯。



いいです。

自分が好きな道具を眺めながら飲む一杯は至福です(*´▽`*)


さて、このデカくて重いコーヒー道具一式は、果たしてキャンプデビューするのでしょうか・・・



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