去年、キャンパーの間でも話題となった「ダイソーメスティン」。
500円というリーズナブルな価格で、丁度1合が炊けるということで注目され、全国的に品薄状態が半年近くに渡って続いたほど大人気となりました。
その後、専用の蒸し網が追加されるなど、アウトドアコーナーの定番商品となった訳ですが、今年は新たに2サイズが追加されました!!
先日、いつも通り、行きつけのダイソーで棚を眺めていると・・・
な、なんじゃこりゃー!
いつの間に、デカいサイズが!?
と言うことで、試しに早速購入。
ダイソーメスティンは、これまでの1合が500円、新たに加わった1.5合が800円、3合が1000円です。
一応、本家のトランギアのメスティンと比較してみると、以下の通りです。
トランギア メスティン
出典:トランギア公式サイト |
重量:150g
サイズ:170×95×62mm
容量:750ml
材質:アルミ(無垢)
備考:炊はんの目安 約1.8合まで
定価:\1,760
トランギア ラージメスティン
出典:トランギア公式サイト |
サイズ:207×135×70mm
容量:1350ml
材質:アルミ(無垢)
備考:炊はんの目安 約3.5合まで
定価:\2,750
ダイソー メスティン 1合
サイズ:145×77×50mm
容量:500ml
材質:アルマイト
定価:\550
ダイソー メスティン 1.5合
サイズ:160×95×60mm
容量:750ml
材質:アルマイト
定価:\880
ダイソー メスティン 3合
サイズ:190×130×70mm
容量:1350ml
材質:アルマイト
定価:\1,100
こうしてみると、今回発売された1.5合がトランギアのメスティンに、3合がラージメスティンに相当することが判ります。
価格は、何れも本家の半額以下ですから、品質を除けばコスパは凄まじいものがあります。
ダイソー メスティンの詳細レビュー
では、詳細をレビューしていきたいと思います。
先ず、商品全体についてですが、発売済みの1合はダイソーのオリジナル商品でしたが、今回追加された物はサイバートレーディング株式会社の商品です。そのため、一部の仕様が微妙に異なります。ただ、いずれも製造は中国ですので、良くも悪くも大きな差はありません。
最近のダイソーは、アウトドア商品の一部で、サイバートレーディング社の物を採用しており、コンパクトチェアや固形燃料用のミニストーブなどが販売されています。
実際の大きさを比べてみると、3合の大きさが際立ちます。
1合には、本体にフタのラインが入っていませんが、今回追加された1.5合と3合には、ラインが入っています。
また、1合はフタが簡単に開いてしまいますが、1.5合と3合はフタがタイトに作られているため、炊飯時にフタに重しを乗せる必用がありません。
但し、逆にフタを外す時はしっかり握る必要があるため、革手袋をするなど注意が必要となります。特に3合は、幅が大きいため、手の小さな人は握り難くて使いづらいかもしれません。
私の手は成人男性としては標準的な大きさだが、結構握り難い。 |
良い点としては、ダイソーのメスティンは、いずれも面取りがされているため、自分で削る必要が無いことです。
また、素材がアルマイト加工されているため、基本的にシーズニングは不要です。
この2点については、本家トランギアより優れています。
更に、今回追加された、1.5合と3合については、米と水の量の目盛りが追加されています。
1.5合には0.5合・1合・1.5合、3合には2合・3合の目盛りが入っているので、ご飯を炊く時に便利です。
さて、大きさ的には、大・中・小と揃っているので、メスティンでマトリョーシカをやりたくなりますが・・・
一見上手く収まっているように見えますが、1.5合のハンドルが僅かに高く、3合のフタが浮いてしまいます。
まあ、フタの浮きは少しですから、このまま収納することについては殆ど問題ありませんが、上から強い力がかかると、フタが曲がる可能性はあります。
ちなみに、1.5合の中には干渉せずに1合を入れることができます。
ハンドルの取り付けは、いずれもリベットで3点を固定するタイプ。
ハンドルは、耐久性の高いステンレス製で、火傷防止にシリコンチューブのカバーが付いています。特に3合は、水を満タンにすると1kgを超えるため、ハンドルが太く作られており、しっかりと保持できるようになっています。
ハンドル自体は、取り外し可能なため、きれいに洗って清潔に保つことができます。
さて、メスティンと言えば、ご飯を炊けてナンボですから、実際に炊飯してみました。
ダイソー メスティンで米を焚く
米は、いつも使用している無洗米を使用。
それぞれ、計量カップできっちりと量って入れたところ、1.5合は1合の目盛りに、3合は目盛り通りの位置になりました。
次に、水を入れていきます。水は、無洗米の場合、1合あたり220mlが目安になります。
こちらは、1.5合は少し少な目、3合は結構オーバー気味。
うーん、この目盛りを信じて炊くのはかなり不安があります(苦笑)。
さて、炊き方は、箱の説明書きにもある通り、30分浸水した後、固形アルコール燃料を使って20分ほど焚きます。
箱書きには、固形燃料が無くなり火が消えるまで放置とありますから、それを信じて炊くことに。
1合は、10分ほどで湯気が出て吹きこぼれてきました。
その後、20分前には湯気が出なくなったので、火から下ろしました。固形燃料はまだ残っていましたが、これ以上やると焦げると判断。
1.5合は、15分ぐらいで湯気が出だし、少し吹きこぼれましたが、3合は殆ど湯気は出ず、吹きこぼれることもありませんでした。
どちらも、火が完全に消えるまで放置したので、30分以上炊いたことになります。
さて、10分蒸らして試食タイム!
1合は、見た目も綺麗に炊きあがっています。
底の焦げも無く、いい感じです。やはり、途中で下ろしたのが良かったみたいです。
試食は、最もごはんの味が判るTKGで!
ウマイッ!
いい感じです。
1.5合は、中央が少し盛り上がっています。
底には焦げは無く、綺麗に炊きあがっていますが、実食したところ、たまに芯を感じる部分がありました。メスティンは、長方形ですから固形燃料1個で中央だけ加熱してしまうと、どうしても炊きムラができてしまうようです。
3合は、中央がかなり盛り上がっており、見た目にも、端の方は芯が残っていそうな感じです。
色も、中央が半透明、端の方が白と、見るからに違います。
底の焦げはありませんが、これは明らかに炊けていません。
案の定、中央はそれなりに炊けていますが、周辺はゴリゴリの芯があるごはんでした(苦笑)。
実は、こうなることは想定内でした。だいたい、お米の量が倍も違うのに、同じ量の燃料で炊きあがるハズが無いと思っていたのですが、一応説明書きを信じて作ってみました(笑)。
メスティンは、自動炊飯とよく言われますが、長方形のメスティンは、火の通りが一定でないので、そもそも米をきれいに炊くのには不向きです(そうでなければ、今頃炊飯器は全部長方形になっていたことでしょう)。
勿論炊けないことは無く、最も火の通りの良い1合は美味しく炊けています。
結論としては、
- 1合は、固形燃料で丁度20分で美味しく炊ける
- 1.5合は、固形燃料使い切りで炊けるが、ガスバーナーなど他の方法を工夫すべき
- 3合は、炊飯は止めておいた方が良い
- 目盛りは、使う前に確認した方が良い
でした。
まとめ
ダイソーのメスティンは、特に今年発売された1.5合と3合については、機能的にはトランギアと変わりません。メスティンについては、他にも、キャプテンスタッグやキャンパーズコレクションなど、様々なブランドから発売されていますが、いずれと比べても安く、目盛りのいい加減さを除けばコスパも最高と言えるでしょう。
炊飯に関しては、正直可も無く不可も無くと言った所で、味を追求するならダッチオーブンの方が良く、コンパクト性で言えば他にもライスクッカーの選択肢はいくらでもあります。ただ、これは別にダイソーに限った訳では無く、全てのメスティンに言えることです。
メスティンは、既に多くのキャンパーが実践している通り容器としても使え、特にミニマルなキャンプを目指す場合は、使い勝手の良いクッカーセットとなります。
1合のメスティンに、アルコールバーナー、30mlのナルゲンボトル×2、ダイソーのゴトクが丁度入る。 |
私は、1合のメスティンを去年購入して以来、アルコールバーナー入れとして活用しています。ダイソーからは、このメスティンに合うサイズのゴトクが発売されており、このセットを使ってキャンプ場で早朝にコーヒーを淹れています。
1.5合は、本家のメスティンと同じサイズですから、色々な容器としても活躍しますし、エスビットのポケットストーブを組み合わせれば、これだけで炊飯セットが完成します。
3合は、中に1合のメスティンを入れて、その中に米を入れておくなどすれば、これはこれで、飯盒セットが完成します。エスビットのポケットストーブは入れることができませんが、組み立て式の小型焚火台であれば、一緒に入れることができます。
更に、ナイフや火吹き棒を入れたりすれば、遊びの幅が広がりますし、焚火でご飯を炊けば更に炊飯を楽しむことができます。
こういった、様々な組み合わせを考えるのも、メスティンの楽しみ方ですから、ダイソーのメスティンであれば安いので、数個買って色々試してみるのが良いでしょう。