実家で発掘したヴィンテージギア ホエーブス、オプティマス8R、パイトーチなど

2021年5月6日

DIY キャンプ沼 バーナー

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1ヶ月ほど前になりますが、実家に戻った時のこと。以前から、親父に「ホワイトガソリンの高級品いらんか?」と言われていましたので、それを引き取ってきたのですが、ついでに昔使っていたガソリンバーナーなども発掘してきました。


写真左から、オプティマス8R、ホエーブスNo.625、理工開発Pitorch KOCHERと、何れも今は生産中止となったヴィンテージバーナーと言える代物です。

特に、ホエーブスは、小学生の頃、親父が私を連れて登山に行く時、必ず持って行っていた物ですので、懐かしさもひとしおです。

8Rは、ポンピング不要のガソリンバーナーで、当時としては画期的でしたが、ポンピングが機械を操っている感があって好きだった私は、ホエーブスの方に思い入れがあります。



ホエーブス(Phoebus)は、オーストリアのヨーゼフ・ローゼンタール金物製作所(Metallwarenfabrik Josef Rosenthal 、MJR)が1920年頃から1992年まで生産していたバーナーです。親父が買ったNo.625以外に、タンクの小さいNo.725があり、ニップルとクリーンニードルを交換すれば、灯油も使えます。

缶は長年の使用でベコベコですが、まだまだ現役です。この缶、見た目より丈夫で、親父がよくイス代わりに座っていたのを覚えています。

缶の蓋には、紐が付いていたのですが、無くなっています。

中を確認すると、欠品は無く、マニュアルもありました(かなりボロイですが)。


あと、ポンプカップやグラファイトパッキン等のメンテナンスパーツも入っていました。


ニップルは、白灯油(ケロシン)用の物が1つ入っていました。マニュアルを確認すると、購入時はガソリン用のニップルが組み付けてあり、白灯油を使用する場合は、Eマークの刻印がある白灯油用の物に交換するようにと記載されていました。


状態を確認したところ、バルブハンドルはキーキー音が鳴りますが、ちゃんと回すことができ、ニップルからクリーンニードルが出ているのが確認できました。

クリーンニードルが下がっている。

クリーンニードルが上がっている。

ポンプはスカスカで、空気が入りません。35年以上ほったらかしになっていたので、ポンプカップがダメになっているようです。


安全弁は、少し錆が見られますので、使う前に分解・清掃が必要です。

タンク左側の筒状の突起が安全弁。

ホヤ(サイレンサー)は、外ホヤは割と状態が良いですが、内ホヤは結構錆びています。

左が内ホヤ、右が外ホヤ。

タンク周りを調べてみると、目立った傷は無く、問題なさそうです。タンク内を確認しましたが、ガソリンは残っていませんでした。


状態としては、35年以上も放っていた割には良さそうです。



次に、オプティマス8Rを確認していきます。


こちらは、外箱もあり、状態は良さそうです。

マニュアルと共に、アシックスとキャラバンの取り扱い説明書が出てきました。ちょっとした、タイムカプセルを開けた気分です(笑)。




外側は、多少の傷はありますが、綺麗です。



タンク引き出しのギミックも問題ありません。


バルブを回してみると、カッチカチで全く回りません。


んんー、これは手強そうです。

バーナーヘッドを取って、ニップルの状態を確認すると、クリーンニードルが出ていません。


ニップルも、かなり汚れており、ホエーブスより状態は悪そうです。
8Rは、バーナーヘッドの下にプレヒート皿が付いているため、ヘッド全体がプレヒート時の煤で汚れてしまうのでしょう。

タンク内を確認すると、ガソリンがまだ残っています。


よく見ると、「ウィック」が確認できます。


8Rは、紐をまとめたような形状の「ウィッグ」でガソリンを吸い上げ、バーナー部へ送ります。一般的なガソリンバーナーは、タンク内を加圧してガソリンを送り出しますが、8Rはウィッグがガソリンを吸い上げるので、予熱のみで点火することができます。

8Rは、弁当箱のような形状で、とてもコンパクトなため、多くの登山家から愛好されたのですが、惜しくも2005年に製造が終了してしまいました。




これは、Pitorch KOCHER(パイトーチ コッヘル)というアルコールバーナーです。理工開発という会社が製造・販売していたらしいのですが、詳細はネットで調べてもよく分かりませんでした。


見たところ、状態はとても良好です。


殆ど使用した形跡がありませんが、親父が点火してお湯を沸かしていたのを覚えているので、多少は使っていたはずです。
後日、親父に電話で聞いたところ、パイトーチは殆ど使わなかったと言っていました。理由は、「火力が弱いから」だそうです。そりゃ、ガソリンバーナーと比べたらアカンやろ(笑)。


このバーナーの特徴は、銅製のループ状の部分です。ループの下部には小さい穴が空いており、ここから、ループ部分で加熱されて気化したアルコールが噴射されます。


このように、トランギアなどのアルコールバーナーとは構造が全く違います。


バーナーは、錆も無く、注意書きのシールも綺麗に残っています。アルコールタンクの底に少し錆のような汚れがありますが、使用上の問題はありません。


実家で発掘したのは、バーナーだけではなく、ハリケーンランタンも1つ発掘しました。


箱には、ジョラスとありますが、出所はよく分かりません。ただ、中身は中華製の安物でした。


小学校の時、夏休みの宿題で、このランタンの絵を描いたことを覚えているのですが、こんなにショボかったかな? (^_^;)

ヘッドには中国上海とあります。


白灯油専用とステッカーが貼ってありますが、タンク部分にはパラフィン専用(WARNING-USE ONLY PARAFEIN)とあります(苦笑)

【2011年6月2日訂正】
「Parafein」は、英語で「灯油」の意味。米語では「kerosene」と表記される。そのため、この場合のPARAFEINという表記は、日本語で言う「パラフィンオイル」のことではなく、灯油を意味するため、日本語のステッカーの白灯油と同じ意味となる。




チムニー部分など、隠れている部分は、塗装が適当など、古き悪き時代の中国を思い起させてくれます(笑)。


燈心はありませんから、別途購入する必要があるのですが・・・まあ、気が向いたら考えてみようと思います。




最後に、ホワイトガソリンの高級品について。
正体は、これでした。


ハクキンカイロ専用ベンジン

実は、親父は一時期、ハクキンカイロを大量に集めていたのですが、このベンジンもその時に購入したものとのこと。

一応調べてみたところ、ベンジンとホワイトガソリンは殆ど成分は変わらないようです。ただ、単価はベンジンの方が高いので、確かに高級品には違いありません(笑)。


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