世界的にも有名なカプコンのゲームタイトルですが、2ndGの頃からプレイしている私は、かれこれ10年以上もモンスターを狩り続けています。
一応、モンハンをご存じの無い方に説明すると、モンスターと呼ばれる巨大生物を倒す(狩猟する)ことを目的としたゲームです。元々RPG(ロールプレイングゲーム)などでは、ボス戦と言われる巨大モンスターとの戦いがあり、それがプレイヤーを熱中させるということで、ボス戦だけをゲーム化したら売れるのではとの発想からモンハンが生まれました。それで、巨大モンスターを剣や槍やボウガンやらで倒すというゲームになったのですが、単に倒すだけでは面白くないということで、狩猟という要素をプラスすることになったのです。こうして、狩ったモンスターから、皮や骨や鱗やらをはぎ取って、新たな武器や防具を作って、更なる大敵に挑むというゲームシステムが誕生しました。
こうして「ハンティングアクション」という新ジャンルを作ったモンハンですが、狩猟にリアリティ(?)を持たせることに一役買っているのが、「肉焼き」です。モンスターからはぎ取った巨大な塊肉を、「肉焼きセット」というアイテムで焼き上げて食料にするのです。
モンスターハンター:アイスボーン ©CAPCOM CO., LTD. |
ゲーム中では、時間が経過するとお腹が減ってスタミナの上限が下がっていくのですが、焼いた肉を食べると、下がったスタミナが回復します。これが、モンハンの代名詞となり、CMなどでも使われていましたので、ゲームを知らなくても「上手に焼けました」というかけ声を聞いたことがある方はいると思います。
さて、長年「肉焼きセット」で肉を焼いてきた私ですが、リアルでも塊肉を焼いてみたいと思っていました。モンハンのように、塊肉を回転させながら焼くためには、「肉焼き器」が必要となりますが、BBQなどで使われる市販のロティサリーと言われる物は、あまりにも貧弱で、イメージとはかけ離れていました。
キャンパーズコレクションのフリフリスタンド。必要条件は満たしているが、ワイルドさに欠ける。 |
そこで、自作しようと考えたのですが、これがそう簡単ではなかったのです。
ホームセンターで材料を物色していると、肉焼き器に使えそうな物が色々とありました。
最初は、このスチールアンカーで、肉焼き器が作れると思ったのですが・・・・
焼くのは良いけど、これ、どうやってアンカーから肉抜くねん!?
orz
他にも、色々試してみたのですが、結局、焚火に耐えられるスチール製のハンガーがどうしても自作できず・・・
いっそのこと、溶接機を購入することも考えたのですが、流石に肉焼き器のためにそこまでするのも何なので止めました。実は、ホームセンターで1万円ちょっとで売っていたので、店頭で小一時間ぐらい悩んだのですが、他にも、部材を曲げたり切ったりと、様々な加工が必要なので、溶接機だけあっても肉焼き器は作れないということで諦めました(苦笑)。
ということで、リアル「肉焼きセット」はずーっとほったらかしにしていたのですが、ネットでコレを見つけてしまったのです。
右がBBQスキュワーセット、左がファイヤーラック「ハンギング」 |
37キャンプのBBQスキュワーセットです。
モンハンの「肉焼きセット」のように、2本の支柱で支えるタイプではありませんが、ヴィジュアル的には、かなり来るものがあります。
値段は高いですが、これを買えば今までの悩みから解放されるという誘惑にあっさり負けました。
しかも、一緒に売っていた、ファイヤーラック「ハンギング」も同時購入!
これに、焚火台を組み合わせれば「肉焼きセット」の完成です!!
前置きが長すぎましたが、37キャンプのファイヤーラック「ハンギング」とBBQスキュワーを詳細にレビューしていきましょう。
ファイヤーラック「ハンギング」
メインシャフトと呼ばれる1本の鉄の棒に、ハンガーやロストルを取り付けて使う、焚火用ギアです。アンカーシャフトを地面に打ち込んで、メインシャフトを取り付けて使います。
アンカーシャフトをハンマーで打ち込む。 |
メインシャフトを取り付ける。 |
付属品は、ハンガーアーム(直径13mm 長さ250mm)、吊り下げ用アーム(直径9mm 長さ400mm)、ロストルアーム(直径13mm、9mm 長さ400mm ロスト部分300mm×150mm)の3本。
各アームは、止めネジが付いており、不意にアームが下がるのを防止しています。
この手のアイアンギアは、PETROMAXに代表される先行者がいますので、37CAMPのオリジナルという訳ではありませんが、止めネジなどに進化の跡が感じられます。
BBQスキュワー
ファイヤーラック同様、1本の鉄の棒に、スキュワー(串)を取り付けて、肉などを焼くことができます。
スキュワーを取り付けるアームには、後ろ側から持って上下させることができるように、ハンドルが付いています。
スキュワーの回転を固定するための穴が空いているなど、基本機能もしっかり押さえられています。
ファイヤーラック付属のアームと異なり、こちらは止めネジが付いていませんが、てこの原理でメインシャフトに引っかかるようになっています。
私の購入したのは、BBQスキュワーと、メインシャフト・アンカーシャフトがセットになった商品でしたが、現在はBBQスキュワー単体で販売しています。
BBQスキュワーで肉を焼いてみた
と言うことで、念願の塊肉をこの肉焼きセットで焼いてみました。
今回、これに組み合わせたのは、自作の焚火台です(詳細はこちら)。
厚さ3.2mmの鉄板を、そのまま焚火台にしてあるので、37キャンプの武骨な鉄製アイテムと相性バッチリです。
この肉焼きセットで焼くのは、牛肉の塊肉と、豚バラ肉。牛肉は、オリーブオイルを塗って、塩コショウとハーブで味付け。豚バラは、すりおろした玉ねぎとニンニクに、コチュジャン、ヨシダのBBQソースを混ぜ合わせた物に、前日から漬け込んであります。
焚火は、広葉樹の薪を多めに燃やし、高火力にしてあります。
肉への火力は、高さで調整するので、薪が多めでも問題ありません。
豚バラは、コチュジャンが入っているため、直ぐに焦げますが、モンハンらしく、ぐるぐる回転させながら焼きます。
チャンチャチャン チャチャ チャンチャチャン チャチャ チャカチャンチャカチャンチャカチャンチャカチャン チャンチャンチャンチャンチャン♪
上手に焼けました~
念願の こんがり肉 です!!
強火の遠火で焼いているので、とてもジューシーに仕上がっています。
しかも、焚火の煙でほんのりスモークされているので、香りが付いて更に美味!!
目でも、舌でも楽しめて、最高!!
あと、ハンギングも色々使ってみましたが、これも良い感じで使えて気に入りました。
太いハンガーアームは、ケトルでお湯を沸かしたり、8インチのダッチオーブンでご飯を炊いたりと、色々活躍してくれます。
スペック的には12インチのダッチオーブンも吊り下げられるとなっていますが、それだけの重量を吊り下げるためには、アンカーシャフトを打ち込む地面が、かなりしっかりしている必要がります。
今回のキャンプ場は、地面が細かい砂利で、アンカーシャフトが効き難く、重い物を吊り下げると傾いてしまうため、8インチが限界でした。
ロストルも、スキレットで調理するなど、色々と使えました。ただ、幅がちょっと狭いので、大型のスキレットなどはバランスを取るのに少し注意が必要です。
一番使えた(というか映えを楽しめた)のが、ハンガーアームです。どこにいったかよく探す火ばさみを、スタイリッシュに吊り下げられるのは、実用性と映えの両面で活躍しました。
ファイヤーラック「ハンギング」とBBQスキュワーを使ってみて分かったこと
焚火周りで使えるアイアンギアとして、この2つのギアは、色々と楽しめました。武骨なアイアンギアは、見ているだけでテンションが上がりますし、これを使うために斧やナイフを駆使して焚火を熾したくなります。
あと、支柱がメインシャフト1本だけですから、トライポッドのように、支柱が邪魔に感じることもなく、自由度が高いと感じました。
ただ、この支柱が1本というのが弱点でもあります。
37キャンプのファイヤーラックは、構造上1本のメインシャフトにロストルを留めるため、正確に水平を出すのが難しく、多少の傾きが出ます。また、地盤が砂利などの場合、どんなにしっかりアンカーシャフトを打ち込んでも、若干のガタが出るため、どうしても傾いてしまいます。そのため、ロストルが水平にならず、スキレットで調理している時に油が偏ってしまうなど、少し使いづらい場面がありました。
これは、特に重量物を使う時に問題になります。10インチ以上のダッチオーブンを使う場合は、しっかりアンカーシャフトを固定できる粘土質のような地面でないと、傾いて使えません。
ただ、これについては、製品の問題ではなく、構造上仕方が無いことですので、使う時には注意が必要と言うことになります。
問題は、アンカーシャフトです。
先端が、斜めにカットされているだけなので、刺さりが悪いだけでなく、普通に打ち込むと必ず傾きます。手でしっかりシャフトを押さえながら打ち込めば、真っ直ぐ打ち込むことはできますが、ハンマーで手を叩いてしまうリスクがあるため、これは構造上の欠陥と言わざるを得ません(軟鉄だから先端を尖らせると強度不足になるから、なんて言い訳は許しませんよ?!)。
特にソリッドステークのような鍛造ペグをお使いの方ならお分かり頂けると思いますが、ペグをハンマーで打ち込む時に手を添える人はいないはずです。何故なら、固い地面にペグを打ちこむ時は、ハンマーのパワーを最大限に発揮するために、手を添えずに思いっきり叩き込むからです。
私は、仕方が無いので、ソリッドステークで一旦ガイド穴を空けて、そこにアンカーシャフトを打ち込んでいます。
BBQスキュワーにも、問題があります。
念願のぐるぐるをやっていて気が付いたのですが、BBQスキュワーには止めネジが付いていないので、回しているとラック自体が動いてしまい、気持ちよくぐるぐるできません。また、その都度位置を調整しなければなりませんので、面倒です。
37キャンプは、ラックを上下に動かして火力調整しやすいようにわざと止めネジを付けていないとしていますが、ぐるぐるしたい私にとっては逆効果です。上下移動が重要な場合は、止めネジを使わなければよいだけですから、ユーザーにとって選択肢が無いというのは、配慮が足りないです。
あと、収納袋が付いているのですが、これも頂けません。
袋が横長でファスナーが付いていないため、収納時に縦置きすると中身が出てしまいます。
37キャンプのインスタでは、さっと取り出せるようにファスナーを付けていないと言っていますが、それは言い訳です。
BBQスキュワーの収納袋も同様で、使い難いです。
袋に腰が無く、ファスナーも付いていないため、普通に提げるだけでアームが出てしまい、使い難いです。
私は、仕方が無いので、収納袋の上からベルクロテープで留めています。
最後に値段について。
ファイヤーラック「ハンギング」が定価12,600円(2020年4月現在は11,800円)、BBQスキュワーセットが¥14,300(同現在は、シャフト無しのスキュワーキットが8,900円)です。まあ、PETROMAXに比べれば安いですが、買っておいて言うのもなんですが、鉄の棒にしては高すぎでしょう。特にシャフトは、BBQスキュワーのセットとキットの値段差で言うと5,400円ということになりますが、原価なんて400円以下です。
まあ色々課題はありますが、結局は、この値段に納得できるかどうかが、購入の決め手になると思います。私は、どうしてもこんがり肉が焼きたかったので、高いのを覚悟で買いました(苦笑)。
以上、まとめると下記の通りです。
メリット
- 塊肉を焼くのが楽しい
- 見た目が重厚感があって男前
- ハンガーラックがネジ留めできるのでずり落ちない
デメリット
- アンカーシャフトが打ち込み難い(特に固い地面だと苦労する)
- BBQスキュワーだけネジ留めできない
- 収納袋が使い難い
- 値段が高い
特に、デメリットの2番目だけはなんとかしてほしいです。
私は、近日中に穴を空けてネジを追加するつもりです。
本来、ガレージメーカーは、普通のメーカーには真似できないような、斬新なアイデアや、加工技術、品質などが付加価値となりますが、37キャンプは細かい所も含めて今一つ物足りません。
私としては、37キャンプには色々と面白さを感じるので、今回挙げたデメリットを改善しつつ、今後の躍進に期待したいと思います。
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