薪代節約と運動不足解消に行っている薪割りですが、いよいよクライマックスが近づいてきました。
今回は、最後まで残しておいた曲玉(くせだま)を割ることにしました。
原木を輪切りにした玉切りには、コブや、フシ、枝分かれなど、薪割には条件の悪い物が必ずあります。そういう玉切りのことを、俗に曲玉(くせだま)と呼ぶのですが、私も薪割り5日目に、コブのある曲玉を割っています(詳細はこちら)。
コブやフシがあると、木の繊維が複雑に絡み合って、とても割れ難くなります。薪割りは、木の正目(縦の繊維)に沿って行うと簡単に割れますが、繊維に逆らうと全く割れなくなります。ですから、木を横から切る場合は、斧では割れないので、ノコギリで切ることになるのです。
ちなみに、昔話などで斧や鉞(まさかり)で木を切り倒すシーンが出てきますが、あれは、斧で幹を削るようにして切っているのです。
この最後まで残しておいた曲玉は、見るからに枝分かれした部分で、直径が最大35cmに及ぶ、薪割には最悪の条件が揃った玉です。
このような曲玉を割る方法はいくつかあります。
①チェンソーで切る
チェンソーで縦に切ってしまう方法。繊維に関係なく切っていくことができるので、確実に割ることができるが、時間がかかる。また、大量の木くずが出るのが難点。
直径が50cmを超えるような大型の玉切りなども、割りやすくするために、チェンソーで切って小さくする。
②薪割り機を使う
出典:ホンダウォーク |
薪割り専用の機械。数トンから数十トンの力で、薪を割ることができる。
手動式、電動式、エンジン式などがあり、サイズも様々。
③楔(クサビ)を使う
2本の楔を使って、玉切りに交互に打ち込んで割っていく。
さて、私としては、当然③を選択しました。①のチェーンソーは、ウバメガシなど緊急避難的な場合を除けば、あまりやりたくない方法です。
②は、薪割りを趣味と実益を兼ねてやっている私にとって、オーバースペックですし、保管場所も取るので論外です。
そうなると、選択肢は③しかありませんので、楔を使って地道に割っていきます。
とは言う物の、これだけの曲玉を楔だけで割るのは結構大変。
ということで、娘の出番です(笑)。
私「おーい、ストレス解消も兼ねて薪割り手伝って。」
娘「いやや!」
私「あっそう。そんならモンハン無し!ニンテンドースイッチ取り上げ!!」
娘「・・・・・ちぇーっ!」
とまあ、渋々手伝うことを承知した娘。
我が家の手動薪割り機の登場です(笑)。
再三文句を言いながら楔を打ち込む手動薪割り機(娘)。 |
先ずは、玉切りの状態を確認。
木の幹から太い枝が分かれていたと思われる部分です。
薪割りには、木元竹末(きもとたけうら)という言葉があります。木は元(根)から、竹は末(先)から割れという意味で、木は上に向かって枝を広げるように生えているので、根元側から割った方が割りやすいことを表現しています。
この玉切りの場合は、写真の下側が根元方向になるので、反対から割るのがセオリーですが、枝があった部分に割れ目が入っているので、上から割っていくことにしました。
斧でできた割れ目に楔を刺し、ハンマーで叩きます。
ある程度入ったら、反対側からも楔を打ち込んでいきます。
楔で玉切りを割る時は、両側から楔を打っていきます。真ん中に1本打ち込むと、楔が食い込むだけで割れない場合があり、そうすると楔が挟まって手も足も出なくなります。両側から少しづつ割っていくと、片方の楔が挟まれて動かなくなっても、もう片方を打ち込めば割れ目が開くので、スムーズに割ることができます。
使用するハンマーは、できるだけ重い方が良いです。
斧は遠心力で薪を割りますが、楔を使う場合は、ハンマーの重量で薪を割るからです。
感覚としては、斧は振り抜く感じですが、ハンマーは落とす感じです。
ですから、ハンマーは重いほどパワーが出ますので、腕力の許す限り重いハンマーを使うのがベターです。写真のハンマーは、2.7kgありますが、中学生の娘でもそれなりに使えました。
娘「もーしんどい。疲れた。」
私「ほら、まだまだやで。モンハン無しになるで。」
娘「何でこんなことせなあかんの?こんなん機械使ったらええやん!科学の時代やで!?」
私「なんぼ機械を使う言うても、基本法則を知っとくのが重要なんや。」
娘「そんなん知ってるよ!知っとくだけやったら、わざわざ薪割りせんでもええやん!!」
私「万が一、災害に遭った時に、薪ぐらい割れた方がええやろ。サバイバル技術や!」
娘「そんなんいらんわ!自衛隊が助けに来てくれるまで待ってたらええんやろ!?」
メリッ!!
私「だいぶ割れてきたで。あともうちょいや。」
娘「・・・・・」
ガツン、ガツン
メリリッ
ガツン、ガツン、ガツン
メリリッ!
割れたぁーッ!!
私「( ^ω^)・・・達成感どう?」
娘「もっと早よ割れろーッ!」
私「言うに事欠いてそれかい(苦笑)。」
我が家の手動薪割り機は、なだめすかせるのがタイヘンでしたが、ようやく無事に割ることができました。
写真の通り、見事に太い枝が嵌入(かんにゅう)しており、その部分は繊維が複雑に絡み合っています。
その後も、楔を使って小割にしていき、ようやく曲玉を薪にすることができました。
これで、残すは、半切にされた欅(ケヤキ)の玉切りだけです。
薪割りって、苦しいけど楽しいですよ~。