雪中キャンプにとって欠かせないアイテムの1つ~スノーペグ。
MSRなどからは幅広のスノーペグが販売されていますし、園芸用のプラペグを流用したりすることも可能ですが、私が使っているクロンダイクグランデのような大型テントでは、この程度ではパワー不足となります。
特に、パウダースノーが降り積もったような状態の場合、踏み固めたとしても、普通のスノーペグでは抜けてしまいます。
そこで活躍するのが、板状のスノーペグです。紐の付いた板を雪に埋め、紐の端をテントのガイロープに結んで使用します。
この手の物は、MSRからケーブルピケットとう製品が販売されていますが、1本5000円以上と高価です。構造が単純ですから、雪山登山を行う人でも自作されている方が多いです。
私も、本格的な雪中キャンプ向けに、スノーペグを自作することにしました。
さて、私が雪中キャンプで使用しているクロンダイクグランデは、直径4.6m、高さ3mもある大型テントですから、スノーペグもそれなりの大きさが必要となります。しかも、吹き卸しの山風をまともに受けるようなキャンプ場では、風速10mを軽く超える場合がありますので、しっかりとペグダウンできなければなりません。
と言うことで、自作に使ったのは、ホームセンターで安価に入手できるホワイトウッドの板材。竹を割って作るのが一般的ですが、板材の方が入手しやすく、加工も楽だったのでホワイトウッドにしました。
幅62mm、厚さ18mmの板を、長さ25cmにカット。初めは20cmで考えていたのですが、よりトラクションがかかるように少し長めにしました。
中央部分に幅5cmの間隔で穴を空け、ガイロープを結びます。
結び方は、一番簡単で強固な「もやい結び」です。
ロープを下から上へ輪を作る |
輪の中にロープを通し、元のロープの下を通す。 |
元のロープの下から上にもっていき、輪の中に通して縛る。 |
もやい結びは、強固ですが解きやすく、ガイロープをタープなどに結ぶ時にも役立つので、最低限これだけはマスターしておくことをおすすめします。
ロープの先端には、カラビナをもやい結びで取り付けています。こうすることで、テント側のガイロープを簡単に取り付けることができます。
ホームセンターで入手可能なセイフティーフック。 スチール製(上)、ステンレス製(下)で耐荷重量が異なる。 |
カラビナも、ホームセンターで売っている物を使っています。セイフティーフックという商品名で販売されており、スチール製とステンレス製があります。耐荷重量は、ステンレス製が65kgとスチール製の45kgよりも高いですが、価格はスチール製が100円台、ステンレス製が300円台と2~3倍の差がありますので、スチール製で十分です。
ちなみに、アウトドアショップなどで売っているアルミなどのカラビナは使用不可です。
写真左はコールマンのカラビナ、右はスチール製のセイフティーフック。 |
この手の製品は、用途的には食器やLEDランタン程度の物を吊り下げるぐらいしか想定されていませんので、耐荷重量が低く、ペグダウンに使用すると簡単に破損します。
ロープは、30cm程の長さにしてあり、スノーペグを雪に埋めた時にカラビナが雪上に出るようにしてあります。
クロンダイクグランデのガイロープは、全部で11本あるので、予備も含めて14本作製しました。
本体のペグダウンも入れると21本必要となるのですが、本体部分は、踏み固めた雪上に30cmのソリッドステークでペグダウンし、効かない場合は40cmを使うことで対処しています。ベル型テントは、構造上、ガイロープで本体を地面に押し付けるような構造になっているため、本体のペグダウンよりも、ガイロープのペグダウンの方が重要となります。
さて、このスノーペグ、早速「猪苗代湖モビレージ」で使用してきました。私が訪れた時は、パウダースノーが50cm以上も降り積もった状態でしたので、ブーツで踏み固めた程度では、ソリッドステークはスカスカで全く使えない状態。
雪を踏み固める。 |
スノーペグを設置。 |
雪を入れて踏み固める |
そんな環境でも、スノーペグを雪に埋めて、上から雪を多めに入れて踏み固めると、バッチリ効いてくれました。
掘り出すのが大変そうに見えますが、パウダースノーは、水分が少なくて凍らないため、スノーショベルさえあれば簡単に掘り起こすことができます。
それにしても、パウダースノーの雪中キャンプは楽しいです。雪が固まり難いのでクラフトには向きませんが、衣服に着いても簡単に払い落とせるので、殆ど濡れません。
スノーペグがあれば、そんな中でタープも張れるので、遊びの幅が広がります。
雪中キャンプはハードルが高いですが、様々なキャンプスタイルの中でも最も非日常を楽しめるので、まだやったことが無い方は、是非ともチャレンジしてみてください。
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