毎年、冬になると雪中キャンプに突入する我が家。
そんな私たちが、ほぼ毎年行っているキャンプ場が、福島県の猪苗代湖モビレージです。
猪苗代湖モビレージは、その名の通り猪苗代湖畔にあるキャンプ場で、オートキャンプサイトが全部で100区画もある大型のキャンプ場です。夏は湖水浴が楽しめ、湖畔だけでなく緑豊かな林間サイトも魅力的で、施設もトイレ(一部温水便座)、風呂・シャワー(冬季休止)など充実しています。
そのため、GWや夏のシーズンは、予約が取れないほどの人気キャンプ場だそうです。実は、私は雪中キャンプ目的でしか訪れたことが無いため、そういったハイシーズンに行ったことがありません(笑)。確かに、比較的気温が低い猪苗代湖では、夏が魅力かも知れませんが、マイナス10度の中で楽しむ雪中キャンプも魅力です。
しかも、1月の猪苗代湖は終日気温がマイナスなので、最高のパウダースノーキャンプが楽しめます。
東京方面から猪苗代湖へは、高速道路で東北道を北上し、郡山JCTで磐越道に入り、新潟方面へ向かいます。毎年思うのですが、1月の東北道は、宮城県内までは殆ど雪が積もっておらず、那須高原あたりで少し積雪が見られる程度です。ところが、磐越道に入ると、トンネルをくぐり抜ける度に周りが雪景色に変わっていくのです。ですから、東北道をドライブ中は、「今年はどれぐらい雪が積もっているかな?」と心配になるのですが、磐越道を進み磐梯熱海あたりまで来ると「ヤッター!」となる訳です(笑)。
猪苗代磐梯高原インターを下りる頃には一面の雪景色となっており、小休止も兼ねて「道の駅 猪苗代」へ。
この道の駅も、毎年1月は雪に埋もれているのですが、今年は雪が特に多く、50cm以上積もっていました。
雪を手に取ると、最高のパウダースノー。
磐梯山を始め、周辺の山々も雪で霞んでいます。
磐梯山は雪に霞んで見えない。 |
雪に霞む山々。寒々しさがまた美しい。 |
これだけ積もっていれば、期待充分と一路猪苗代湖モビレージへ向かいます。
木々の向こう側にあるのが管理棟。 キャンピングトレーラーの代表格「エアストリーム」が置いてある。 |
既に述べたように、このキャンプ場は湖畔が魅力的なのですが、訪れた時は湖畔までバッチリ雪が積もっていました。流石に猪苗代湖は凍っていませんが、畔の一部は水面が凍っています。
さて、今回は電源無しの区画サイト。一昨年は電源サイトがあったのですが、予約時に確認すると、今年(2021年)は電源サイト無しだそうです。各サイトは、予め除雪されていますので、降雪の状況によって電源サイトの有無を決めているのだと思います。
我が家は、クロンダイクグランデですから、きっちり張るにはかなりの広さが必要となります。受付時に場内の除雪されているサイトの中から自由に選ぶようにと案内されたのですが、運良く広いサイトが空いていたので、迷わずチョイス。
除雪はされていますが、その後の新雪や、多少の凸凹がありますので、スノーショベルで簡単に地ならし。
雪の盛り上がっている所は、スノーショベルで削り、逆に凹んでいる所には雪を入れて踏み固めます。
設営に当たっては、ペグダウンが重要になります。除雪されて踏み固められている部分は、ソリッドステークでも充分ですが、パウダースノーが降り積もった部分は、多少踏み固めたぐらいでは全然ペグが効きません。正に「ぬかに釘」ならぬ「雪にソリステ」状態。
ここで活躍するのが、事前にDIYしてきたスノーペグ。長さ25cmの板材にガイロープが結んであり、先にカラビナが付けてあります。
これを雪に埋めて踏み固めれば、大型テントのクロンダイクグランデもバッチリ固定可能。
20cmほど雪に埋めただけですが、体重をかけて引っ張ってもビクともしません。
その後、テントを設営し、薪ストーブをインストールして設営完了。
実は今回、自宅にずーっとストックしてある薪を使いたかったので、クルマの空きスペースに「これでもか!」と言うほど詰め込んで持ってきました。
荷物の隙間に詰め込んだ薪。写真右側のクリーム色の袋も薪が詰め込んである。 |
積み下ろしてみると、そり満杯の薪。それも、薪ストーブ用にと太めに割ったものの中から特に太めの物をチョイスしてきたので、一本毎の重さもかなりあります。
これで2泊3日を乗り切るぞー(笑)。
設営が完了したので、先ずは薪ストーブに火を点けます。着火剤を使うのが定番ですが、そこはキャンプですから、フェザースティックを作って焚火ライクに点火。
テント内で火遊びができるのも、薪ストーブならではの楽しみの一つ。
以前、薪割に苦労したカエデも遂に使う時が(笑)
そうこうするうちに、日は暮れていきます。
雪で冷やしておいたビールもバッチリ!
外気温はマイナス5℃前後ですが、幕内は薪ストーブのおかげで20度オーバーですから、ビールが美味しく頂けます(笑)。
晩御飯は、シンプルに鳥の水炊き。寒い雪中キャンプにはもってこいのメニューです。
食後は、薪ストーブの前でブラックニッカでハイボール。
美味しいお酒と焚火で、夜が更けていきます。
2日目は、場内で雪遊び。隣接するサイトは除雪されおらず、50cm以上の雪が積もっています。今回は特に雪の状態が良く、上から下まで完全にパウダースノー状態。
パウダースノーが降り積もった隣のサイト。 全く除雪されていないため、雪遊びには好都合。 |
実は、完全にパウダースノーの状態だと、イグルー等のクラフトには不向きなのです。固めた雪をブロック状にノコギリで切り出し、テーブルやイスを作るスノークラフトでは、雪を圧雪して固める必要がありますが、水分の少ないパウダースノーでは、圧雪しても脆くて崩れやすいため、ブロック状にならないのです。
ちなみに、新潟などの上越方面の雪は水分が多いのですが、逆に水分が多すぎて重く、作業が辛いです(苦笑)。
前回猪苗代湖モビレージに来た時は、イグルーを作ったのですが、今回はあきらめ、その代わり雪中にタープを張ることに。
先ずは、ラッセル(雪を踏みつけて道を作る)を行い、サイトからの道を確保。
その後、タープを張る場所を簡単に踏み固めます。
あとは、ひたすら雪をスノーショベルでかき出します。
これがかなりの重労働。パウダースノーですから軽いとは言え、大量の雪をかき出すのですから、結構タイヘンです。スグにへこたれる娘をおだてながら、交代でかき出していきます。
一通り除雪が済めば、スノーペグを4隅に埋め込んで、タープを固定し、ポールで持ち上げれば完成!
スノーペグの位置が悪くて、結構たわんでしまいましたが、除雪で息が上がってまったので、良しとします(苦笑)。
これで、秘密基地の完成。幕がテンマクデザインの白いフルコットンの焚火タープですから、秘密基地感がアップしてると思うのは私だけ!?
昼食は、我が家のキャンプ飯定番の牛スジカレー(作り方はこちら)。
カレー作りでは、薪ストーブが大活躍してくれます。
ご飯を炊くのも、コッヘルに重し代わりに薪を乗せておけばオッケー!
食後は、午前中の疲れもあって、テントの中で昼寝・・・
薪ストーブのおかげで、幕内は20度以上あるので、あとはシュラフをかぶれば自宅のリビングと変わりません(笑)。
気が付けば、時刻は15時を回っていました。
娘は、秘密基地周りで遊んでいるので、私は一人で場内を散策することに。
猪苗代湖は、冬になると白鳥がやって来ます。
誰もいない湖畔を、スノーシューで歩いていくと、白鳥の群れがいました。
夕暮れの猪苗代湖は、美しいの一言。
一面が雪の白と、樹木や湖面の黒のモノトーンで覆われていますが、そこに夕日が差すことで色づき、何とも幻想的な風景が広がります。
それにしても、今年の猪苗代湖のパウダースノーはスゴイです。スノーシューを履いていても、20~30cmは沈み込むので、かなり歩きづらいです。
しかも、誰も歩いていない雪景色の中を歩くのは、格別の感があります。冬山登山をする人にとっては、ごく普通の風景かもしれませんが、それが手軽に楽しめるのは、私のような軟弱者には有難いです(笑)。
さて、この日の晩御飯は、昼間の牛スジカレーの残りを使ったカレーリゾットと、ボルシチです。
カレーリゾットは、牛スジカレーを少し水でのばしてフライパンで暖め、冷めたごはんを入れてかき混ぜ、とけるチーズを乗せるだけ。あとは、薪ストーブ内で5~10分オーブンすれば完成。
写真は写りが悪くて恐縮ですが、チーズ表面はバーナーで焦げ目をつけてあります。
ボルシチは面倒に思えますが、瓶詰の物を使用すれば、お好みで牛肉をプラスする程度ですから調理も簡単で、特にキャンプで重宝します。
私は、KALDIで売っている「アシストバルール ボルシチ」を使用しています。amazonでも取り扱いがあるようですが、輸入が安定していないようで、頻繁に品切れになるので、もしも店頭などで見かけたら一度購入してみてください。
さて、楽しかった2日間はあっという間に過ぎ、撤収の日となりました。
大量に持ってきた薪は、2日目の夜寝る前に丁度使い切り、朝でもまだ薪ストーブ本体は100度以上ありました。
2日間ずーっと薪ストーブを焚いていたので、テントには無数のツララが付いています。
温度計を確認すると、外気温が最高気温1.6℃で最低気温がマイナス9.3℃、テント内は最高23.7℃で最低1.2℃。
薪ストーブは、夜中までは持ちませんが、トヨトミレインボーを点けて寝たので、テント内がマイナスになることはありませんでした。大型テントで極寒の中でキャンプをする場合、確かにトヨトミレインボーでは役不足ではありますが、就寝時にマイナスになるのを防ぐことができれば、シュラフや服装を工夫すれば快適に寝ることができるので、サブとしては充分役に立ってくれます。
ちなみに、私はシュラフが「ナンガ オーロラライト600DX」、服装は上がヒートテックTシャツ+極暖ヒートテック長袖+ボアスウェットシャツ、下が極暖ヒートテックタイツ+ボアスウェットパンツです。
嫁と娘は、コールマンアドベンチャースリーピングバッグC0の中に2人で入って、嫁がナンガダウンバッグ、娘がコールマンキッズマミーと、シュラフを2重にしています。このスタイルで今まで文句が出たことは無いので、まあ、テント内が氷点下にならなければこれで十分ということでしょう。
さて、撤収作業にかかろうと、秘密基地のタープを回収に行くと、向こう側には、娘の作ったオブジェというかマップが。
モンスターハンター・アイスボーンに出てくる「渡りの凍て地」を作ったそうな。
分かる人には分かると思いますが、まあ、それなりに再現されています。
確かに気温的には、凍て地かもしれませんが、昨日の午後はずーっとこれを作っていた娘を褒めてやるべきか悩みます(苦笑)。
テントを片付けたら作業終了。くっきりと円形の跡が残っています。
今年も、大いに雪中キャンプを楽しめました。
また来年も来ようと思います!
※猪苗代湖モビレージは、毎年2月上旬まで冬季営業を行っていますが、2021年は新型コロナの影響で、1月11日で営業を終了しています。