新春あけましておめでとうございます。
今年も「キャンプ沼の畔から」をよろしくお願いいたします。
さて、年末にどうしても雪中キャンプをしたくて、新潟のスノーピーク Headquarters(以下ヘッドクォーターズ)に行ってきました。今年は、上越方面は12月16日に大雪になり、関越自動車道で丸2日以上に渡って立ち往生が発生しました。ここ数年は雪が少なく、豪雪地帯である新潟県三条市に位置するヘッドクォーターズでも、キャンプ場に雪が無い日々が続いていましたが、今年は早速の大雪で本格的な雪中キャンプが楽しめると、急いで予約しました。
自宅を8時前に出発し、関越道を一路新潟方面へ。
谷川岳のサービスエリアでは、かなりの雪が積もっていました。これは期待できます。
その後、関越道を走っていると、特に立ち往生の酷かった塩沢石打IC-六日町IC間では、道路の防音壁の高さまで雪が積みあがっており、それらの除雪作業が続いていました。私たちが向かったのが27日ですから、立ち往生発生から10日以上が経っても除雪作業が続いているということからも、記録的な大雪だったことが伺えます。
さて、途中で食材などを買い込み、ヘッドクォーターズには13時過ぎに到着。
スノーピークのロゴが入った除雪クローラーがお出迎え。 |
場内は一面の雪景色ですが、キャンプサイト周辺は、結構雪解けが進んでおり、10~15cmほどの積雪量。直近の1週間は、最低気温でも氷点下を下回ることが少なかったので、無理もありません。テントを建てるには好条件ですが、豪雪を期待していた私たちはちょっと残念。
広大な敷地のヘッドクォーターズですが、積雪時はAサイトとキャンプ場受付裏のスペースだけが解放されていますので、設営できる場所は限られています。
設営に当たっては、駐車場から一旦道路に出て、キャンプサイト周りの舗装道路に沿って車を停車し、道具の積み下ろしを行います。
今回テントを設営した場所は、既に前の利用者が設営していた場所にしました。我が家のクロンダイクグランデは、直径4.6mの大型テントですから、設営前の雪かきも大変ですので、雪かき要らずのサイトは手抜きにはもってこい(笑)。
雪中キャンプの醍醐味は半減してしまいますが、これはこれで良し!?
写真は3日目の朝のため更に雪が溶けている。 |
テントを建てたら、先ずは薪の調達です。薪は、自宅にもあるのですが、雪中キャンプでは装備品が多いので、薪を持ってこれる量が限られてしまい、二日分には足りません。
ヘッドクォーターズは、スノーピーク直営のキャンプ場ですから、薪も潤沢に販売されています。
広葉樹薪が700円、針葉樹薪が500円(いずれも税別)。いずれもホームセンターなどに比べて標準的な価格ですが、針葉樹薪は結構多めなので、鑑賞用焚き火にはもってこいです。
何れも、よく乾燥しているので、火付きも良く最高の焚火が楽しめ、スノーピークの名に恥じない薪の状態と言えます。
これを運ぶとなるとかなりの重量ですので、ソリが大活躍!
プラ製のそりは、レンタルも可能ですので、ヘッドクォーターズで雪中キャンプするならマストアイテムです。
お約束のように薪をひっくり返してしまう娘。 |
さて、今回ヘッドクォーターズに来た最大の目的は、スノーシューを使ったスノーハイクです。本当は、北海道のニセコサヒナキャンプ場で思いっきり楽しむ予定でしたが、コロナ禍でダメになったので、ヘッドクォーターズで取り返します!(笑)
場内とは言え、キャンプサイトとして開放されているAサイトの4倍ほどが一面の雪景色ですから、歩き回るだけでも充分楽しめます。
新潟の雪は、元々水分が多く雪質が重いですが、数日の暖かさで溶けて更に重くなっています。そのため、スノーシューで歩くと、結構な重労働(苦笑)。
とは言え、誰も歩いていない雪の上をザクザクと歩くのは楽しく、娘もすっかりご満悦。
夕方になって本格的に冷えてきたので、薪ストーブに火を入れます。レインボーストーブと併用することで、昼間はストーブで簡単に暖を取り、夕方からは本格的に薪ストーブでポカポカです。
この日の晩御飯は、娘のリクエストですき焼き。食後はトランプとUNOで夜は更けていきました。
翌日、朝食はパンを薪ストーブの上で温めて、インスタントスープと共に頂きます。
腹ごなしが終われば、昨日に引き続きスノーハイクで場内を歩き回ります。実は、娘が以前から「かまくら」を作りたがっていたので、この日はかまくら作りに挑戦。
スノーショベルとソリを駆使して雪を集めていきますが、案の定、そんな簡単にカマクラは作れません(笑)。
それでも頑張って、何とか完成させたのが下記の写真。大きなカマクラが!?
な訳ありません!!
所詮、こんなもんです。
人生の厳しさを学んだ娘(笑)。
お昼は、パエリアとポトフ。
左は仕上げに大量のチーズをかけたパエリア。 右は玉ねぎ・ニンジン・キャベツ・ソーセージのポトフ。 |
特にポトフは、食材をクッカーに放り込んで、薪ストーブ上に置いておくだけで完成するので手間いらず。食後は、午前中の疲れもあって昼寝。
その後、焚火の準備などをしていたのですが、夕方から土砂降りの雨に見舞われてしまいました。雪になれば楽しめたのですが、土砂降りではどうしようもありません。
本当は、晩御飯にジンギスカンをと考えていたのですが、雨の中ジンギスカンは不可能ですし、テント内でやれば煙だらけになってしまいますので、あきらめて真空パックのおでんと缶詰めメインの食事に変更。
ところが、18時過ぎには雨が上がり、19時には月も綺麗に見えるほどの天気に・・・。
あまりにも悔しいので、焚火を鑑賞しながら一杯(笑)。
井桁に組んだ薪が気持ちよく燃えています。
翌日、場内を確認してみると、前日の雨の影響もあって、かなり雪が溶けています。
前日作ったカマクラモドキもかなり溶けています。
最終日は片付けがあるので、薪ストーブは使わず、レインボーストーブで暖をとります。レインボーストーブは小型ですが、天板の上にフライパンを乗せればバンを暖められますし、ケトルでお湯を沸かすこともできるので、撤収ギリギリまで使っています。
テントを撤収したらこの通り。
来た時より、雪がかなり溶けています。まあ、2日目は薪ストーブを終日焚いていたので、それもあるでしょうが、昨晩の雨が効いたようです。
さて、撤収して終わりでないのがヘッドクォーターズの良い所。
ヘッドクォーターズは、スノーピークの本社と直営店が併設されているキャンプ場です。というか、スノーピークユーザーの声を直接聞けるようにと、本社兼キャンプ場として2011年に移転したのがヘッドクォーターズの始まりです。
直営店内は、年始の初売りに向けてディスプレイが進んでいました。スノピファンでなくてもテンションが上がります。
直営店以外にもう一つ併設されている施設が、「ヘッドクォーターズミュージアム」です。このミュージアムは、スノーピークの歴史だけでなく、日本のキャンプ・アウトドアの歴史も体感できるようになっており、キャンプ好きなら一度は訪れて損は無い施設です。
私が訪れた時は、受付でスタッフの方を呼び出すような形式になっており、家族3人だけではありましたが、スタッフの方に案内していただきました。
施設に入ると、最初にスタッフが働くフロアを見渡すことができます。左右が全面窓になった開放的なフロアに、多くのキャンプギアがあり、スタッフはフリーアドレスで自由に働くことができます。
見学した日は、年の瀬の29日ということもあって、社員は奥のランドステーションに1名のみ。スタッフの方の話では、どうやらデザイナーが新しいことを思いついたみたいで、居残って仕事をしているとのこと。この中から、斬新な製品が日々生み出されていると思うと、なんだかドキドキします。
さて、ここからがミュージアムの心臓部。
大きなフロアに、歴代のスノーピーク製品が展示されています。展示品は、殆どがユーザーから譲り受けたもの。
展示スペースに一足入ると、最初にスノーピークのルーツである山井商店の看板が出迎えてくれます。
その横には、登山用品からスタートしたことを象徴するアイゼン等が展示されています。
スノーピークの歴史が、日本のアウトドア・キャンプの歴史と共にパネルで紹介されています。
10分ほどの映像が壁にプロジェクションされている。 |
フロアには、BE-PALの創刊号から愛読している私にとっては、かつて雑誌で見かけたシーンが目の前に広がっており、不思議ななつかしさを覚えます。
私の目に留まったのが、このガソリンランタン。
フューエルボトルを直接ランタンの下にドッキングするこのデザインは、今見ても斬新です。
スノーピークさん、このランタン私は2個買うので復活させて下さい!
展示品には、ソリッドステークやダブルチタンマグの製造工程ごとのパーツ展示や、開発時の試作品などもあり、興味は尽きません。
ソリッドステークの製造工程の展示。 |
ダブルチタンマグの製造工程の展示。 |
ギガパワーストーブの開発サンプル。 |
ギガパワーストーブのバーナーヘッドの試作品。 |
気が付けば、1時間近くミュージアムを堪能してしまった私。
最後にお土産兼実用品として、ヘッドクォーターズ限定のステンレスダブルマグを3個買いました。
別に私はスノーピークの回し者ではありませんが(笑)、皆さんもヘッドクォーターズにお越しの際はミュージアムにも足を運んでみてはいかがでしょうか。