CHUMS×BE-PALマルチツールのナイフを研ぐ!

2020年12月10日

topics ナイフ沼

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BE-PALを定期購読している私は、早速2021年1月号を入手しました。



近年は、毎年1月号はチャムスとのコラボアイテムが付録になっていますが、今年はオリジナル・マルチツールです。

2020年がLEDランタン、2019年がLED クリップライトでしたので、これで3年連続でチャムスです。ちなみに2018年は、コールマンのMiniランタンLEDライトでした。


ナイフ好きの私としては、やっぱりマルチツールは気になるので、先月号の付録予告を見た時から、内心楽しみにしていました。ただ、写真の見た目からは、ダイソーの300円のマルチツールにそっくりだったので、性能面で期待できないことはよく判っていました。


というわけで、早速開封です。



プチプチシートに包まれて、丁寧に梱包されています。


大きさは、手のひらに十分収まるサイズで、LEATHERMANのSkeletoolより小さいです。



プライヤーを開くとこんな感じで、見た目はまずまず使えそうな感じがします。



ツールとしては、全部で11種類。



プライヤー、ワイヤーカッター、ミニペーパーナイフ、ミニノコギリ、プラスドライバー、マイナスドライバー(3.5mm)、マイナスドライバー(2.5mm)、栓抜き、つめヤスリ、缶切り、マルチフック。


プライヤーには、バネが入っているので自動で開くため、使い勝手は良いです。



ただ、ペラッペラのフレームでハンドルとプライヤー部分を支えているだけなので、思いっきり握ると多分曲がります(笑)。



ワイヤーカッターは、針金を10回ぐらい切ってみましたが、問題なく使えました。見たところ、刃も痛んでないようなので、結構使えそうです。




ミニノコギリは、ノコギリとしては使えませんが、波刃状になっているので、セレーションナイフとして使えそうです。

切れ味は悪いですが(苦笑)。



栓抜きと缶切りも、小さくて厚みもペラいので、下手に使うと曲がりそうです。缶詰は、今どきほぼプルトップになっているので使わないでしょうが、栓抜きはコロナやハートランドを飲む時に使うかもしれません。



と言うことで、ハートランドを用意しました。



この小さな栓抜きが、果たして使えるのか・・・


引っかかり難い・・・(^_^;)


王冠のヒダになんとか引っかけて・・・


ブチッ!
あちゃー、王冠の端がちぎれた。


別のヒダに引っかけて・・・


抜栓成功!



まあ、こんなもんでしょう。使えなくは無いですが、小さすぎてとても使い難いです(苦笑)。


爪ヤスリですが、これは正直使えませんでした。角が立ってないので爪が滑って削れないのです。まあ、元々期待していなかったので、ある意味問題ありません(笑)。



ダイソーのマルチツールと唯一違うのがマルチフック。ダイソー版では、マイナスドライバーなのですが、マイナスドライバー3個も要らない(笑)ので、BE-PAL版がマルチフックに変更になっているのは、アウトドア雑誌ならではの拘りと言えるでしょう。

マルチフックは、缶詰のプルトップを開けたり、靴紐を解く時などに使うツールとして、ビクトリノックスのトラベラーなどにも付属しているツールです。




さて、ある意味、私にとってはこっちがメインなのですが、ナイフです。



ミニペーパーナイフとなっていることからも分かる通り、エッジが丸くなっていて、全く刃が付けられていません。

おそらく、雑誌の付録と言うことで、自主規制したんだと思います。



ペーパーナイフとしては使えるので、このままにしておいても良いのですが、それでは面白くありませんから、研ぎ上げて刃を付けてみたいと思います。



砥石はシャプトン「刃の黒幕」。私は、中砥のオレンジからしか持っていないので、先ずはオレンジで刃付けしていきます。こんな時だけは、荒砥のモスかブルーブラックを買っておくべきかと思うのですが、そこまで刃こぼれさせることは先ず無いので、未だに買っていません。



片側数百回研いで、何とか刃らしい刃が付きました。一応、爪にあてれば刃が止まるので、そこそこの刃はついているはず。ただ、気になるのが、殆どかえりが出ないことです。普通のナイフは、研ぐと反対側にかえりというバリが出るのですが、このナイフは殆どかえりが出ません。一般的には、粉末冶金鋼などはかえりが出にくいのですが、このナイフはステンレス鋼ですから、それなりにかえりが出ても良いのですが・・・。


一応、5000番のエンジも使って仕上げていきます。



ブレードに反射光が出ているので、それなりに仕上がったはずです。



と言うことで、早速試し切り。



んー。あんまり切れない(苦笑)。

と言うか、切れない(笑)。


写真では切れているように見えるかもしれませんが、コピー用紙を上から切ろうとした時の、最初の食い込みが悪いです。所謂ナマクラの証拠。まあ、研いでいた時にかえりが殆ど出なかった時点で、こうなることは想像できましたが(苦笑)。


パッケージを確認すると、鋼材は「ステンレス(SUS420J1)」と記載されているので、そこまで悪い鋼材を使っている訳ではなさそうです。SUS420J1は、洋食器やハサミなどに使われる鋼材で、耐食性と耐摩耗性が高い鋼材です。但し、焼き入れ後の硬度がHRC51程度と低いため、本格的なナイフには向きません。

おそらく、このナイフは、鋼材の焼き入れ・焼き戻しという熱処理を行っていないのだと思います。一般的な鋼材は、製鉄所から板やロール状で販売され、それを適宜加工して使います。熱処理を行う前の鋼材は、硬度が低く加工しやすいので、ナイフの形状に加工後、熱処理をして仕上げます。

熱処理をしていないと、硬度が低いままなので、研いでも刃付きが悪く、所謂ナマクラになります。元々それほど硬度が高くないSUS420J1ですから、もしも熱処理をしていないとしたら、更に悪くなるのは当然で、この切れ味にも納得です。

まあ、刃長約35mmの小さなナイフを加工して、熱処理までしてたら雑誌の付録としては予算オーバーでしょうから仕方がありません(笑)。

というか、ペーパーナイフであれば、熱処理無しのSUS420J1でも充分ですので、逆にナットクの性能でしょう。



さて、切れないとは言え、それは154CMなどの本格的なナイフ鋼材に比べればということですから、日常的に、パッケージを開けたり、紐を切ったりという程度には十分使えますし、刃長わずか35mmのナイフで食材を切ることもありませんので、小型プライヤー+αとしては使えそうです。



このサイズなら、銃刀法がどうとか言われないからEDCするかな~。



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