4~5月のコロナ禍でキャンプに行けなくなった我が家では、庭にタープを張って晩御飯を食べるのが日課になっていました。そんなこともあって、HK500を毎日のように使っていたのですが、先日いざ撤収しようとしてランタンのガス圧を抜いた時、ノズルが落下してしまい見事にマントルが粉々に。
ノズル落下は、HK500の持病みたいなものですから、点灯前にはしょっちゅうノズルの緩みをチェックしていたので「おかしいな」とは思いましたが、アツアツのノズルを触る訳にもいかず、冷めるまで放置。
翌日、落下したノズルを付け直してみたところ、ネジがガバガバですぐに抜け落ちる状態だったことが分かりました。
ノズルとガスチャンバーの間に隙間が空いている。 |
いくら締め付けても、ちょっとした振動で抜けてしまう状態でしたので、点検時に増し締めしても意味が無かったことに気が付きました。
ガスチャンバーを外して調べたところ、元の大きさからかなり広がっていることが分かりました。
左が口径が広がったガスチャンバー、右は予備のガスチャンバー。 |
これだけ口径が広がっていれば、いくら締め付けても外れてしまいます。
本体側に取り付ける方も、ノズル側ほどではありませんが口径が広がっています。まあ、HK500の500CP(キャンドルパワー)の高熱をまともに受ける部品ですから、消耗品です(苦笑)。
ノズル自体は純正の陶器製ではなく、ステンレス製に変えていたので問題なく使えるので、今回はガスチャンバーのみの交換となりました。
幸い、ノズルを純正からステンレス製に変更した際に、ガスチャンバーも交換していたため、元のガスチャンバーが手元にあったのでそれに交換して一件落着。
ついでと言っては何ですが、本体の清掃もしておきます。
何せ、ノズルごとマントルが落下したため、粉々になったマントルの破片が至る所に入り込んでいました。
マントルは、以前はトリウムという放射性物質が使われていましたが、最近のマントルは、イットリウムなどの放射能の影響がない物質が使われています。
HK500のマントルのパッケージ。Non-radioactive(非放射性物質)と書かれている。 |
放射性物質では無いとは言え、吸い込めば体に悪いので、綺麗に掃除します。
※写真は、清掃後の物を撮影しています。
トップを外して、ガラスホヤを外したら、サポートフレームとセンタープレートを留めているネジを抜きます。
これで、センタープレートと予熱カップが取れます。
サポートフレームはセンタープレートで押さえつけるように留められているだけなので、センタープレートを外せば簡単に取り外せます。
これで、タンクとジェネレーターだけの状態になりますので、センタープレート下に落下したマントルのかけらや、光につられて飛び込んで焼け死んだ蛾の死骸などを掃除します(笑)。
それにしても、ネジ1本で、本体重量2.4kg+燃料1kg弱の合わせて約3.4kgを支えているというのは、強度的には不安がありますが、まあ、ランタンを振り回したりすることは無いので、大丈夫なのでしょう(苦笑)。
ついでに、予熱バーナーも清掃しておきます。
予熱バーナーのフレームチューブ(長細い筒)は、一見ネジ留めされているように見えますが、挿し込んであるだけですので、引っ張れば簡単に取れます。私は、取り方が分からず、5分ぐらいぐりぐりしてました(苦笑)。
あとは、付属の掃除針をノズルに挿し込んで清掃します。
清掃が済んだら、元通り組み上げます。ガスチャンバーとノズルも、インナーチムニーにセットします。
念のため、ミキシングチューブを固定しているネジを調べてみると、少し緩んでいるようでしたので、改めて調整します。
ミキシングチューブは、気化した灯油ガスと空気を混合し、ガスチャンバーへと送り出す部品です。
このミキシングチューブが、混合室にどれぐらい突き出しているかで、微妙な空気との混合具合を調整することができます。こう書くと調整が難しそうに感じますが、要は付属のゲージを頼りにアバウトで高さ調整すればOKです。
やり方は、ミキシングチューブとニップルの間の距離を、付属のスパナに付いているゲージに合わせて調整します。この時に、ニップルから突き出ているクリーンニードルを折らないように、バルブハンドルをONに回してクリーンニードルを下げておきます。
距離の調整ができたら、あとはミキシングチューブを固定している金具のネジを締め付けて終了。
ガスチャンバーの交換ついでに、綺麗に清掃が済みました。
一応、ポンピングして漏れが無いか確認してみましたが、灯油漏れはありませんでした。
あとは、マントルを付けるだけですが、これは次回使う時にします。
以上、HK500のメンテナンス、ガスチャンバーの交換~予熱バーナーの清掃でした。