キャンプはしたいけど、虫が苦手で・・・という方もいると思います。
そんな方におすすめしたいのが、2ルームテント(ツールームテント)です。
2ルームテントが虫除け対策として有効な訳
2ルームテントは、シェルターと言われる大きな本体幕を張ることで、リビングと寝室が一体となるテントです。本体が1枚の幕になっているため、出入り口を閉めてしまえば、虫をシャットアウトできるので、虫が苦手な方におすすめです。
ドームテントやティピテントでは、どうしても寝室内への虫の侵入を防ぐには限界がありますし、フライシートとインナーテントの間に虫が入ることを防ぐことができません。私も、ドームテントをよく使っているのですが、フライシートを跳ね上げて、風通しを良くしていると、虫がフライとインナーの間に挟まって、翌日の撤収時に大量の虫が出てきたりします(苦笑)。しかし、2ルームであれば、シェルター全体で虫の侵入を防げるので、他のタイプのテントより虫対策として有効です。
一方、シェルターで全体を覆ってしまうため夏場の暑さを考慮する必要がありますが、最近の2ルームは、多数のメッシュパネルを採用しており、風通しの良い構造になっています。
以上、夏の虫対策として、どうしても虫が苦手な方は、2ルームテントをおすすめします。
2ルームテントのメリット・デメリット
虫対策としては有効な2ルームですが、他にも様々なメリットがあります。一番のメリットは、別途タープを張る必要が無いことです。2ルームに近いテントは、ドームテントとスクリーンタープの組み合わせです。殆どのスクリーンタープは、ドームテントと接続可能ですので、2ルームとほぼ同等の使い勝手を実現することができます。但し、テントとスクリーンタープの両方を設営しないといけないので、1.5~2倍の時間がかかります。
また、多くの2ルームテントには、スカート(マッドガード)が付いているため、冬場でも外からの冷気をシャットアウトできるため、4シーズンテントとしても活躍します。換気にさえ気を付けていれば、2ルームのリビングで石油ストーブなどを使うことができますので、寒い冬場でも暖かく過ごすことができます。
あとは、インナーテントを外せば、大型のリビングシェルターになるので、グループキャンプでは宴会場として使えます。
一方、当然、デメリットもあります。2ルームは、1つでテントとタープを兼ねるので、そのメリットがそのままデメリットになります。基本的には、ドームテントに比べて構造が複雑で、設営にも時間もかかります。大型のシェルターを支えるためには、強度が必要となるため、どうしてもポールの数が多くなり、ペグダウンの箇所も多くなります。
また、フルクローズにできる裏返しとして、ヘキサタープなどのオープンタープに比べて解放感に劣ります。ただ、これを解放感が無いととるか、プライバシーが守られて良いと考えるかによってもメリット・デメリットは変わってきます。
あとは、たいていのモデルが大型になるため、狭いオートサイトでは張れないことがあります。これが2ルーム最大の弱点でもありますので、購入に当たっては、行きつけのキャンプ場などに合わせてサイズを検討しておきましょう。
メリット
- 設営と撤収が一つで済むので簡便
- 特に雨の時は、広いリビングが有効で、撤収も1つで済むので後片付けが楽
- フルクローズにすれば、冬でも暖かい
- インナーテントを外せば、広いリビングとして使える
- プライバシーがより守られる
デメリット
- ドームテントに比べて複雑で、設営に時間がかかる
- 大型のため、狭小サイトでは設営できない
- オープンタープに比べて解放感に劣る
おすすめの2ルームテント
ここからは、私のおススメする2ルームテントをご紹介します。
2ルームを選ぶポイントとして、建てやすさ、本体サイズ、インナーサイズの3点に注意してください。
特にインナーサイズは、何人で使うかが重要になります。1人あたりの幅が最低65cm、できれば75cmは欲しいです。4人家族であれば、幅75×4=300cmが目安となります。
建てやすさの目安として、設営時間を★5つで表現していますが、一部は私の経験からの推測も入っていることをお許しください(笑)。ちなみに、ファシルでインナー込みで、ガイロープを除くペグダウンまでで大人2人で15~20分です。
コールマン タフスクリーン2ルームハウス
人数:4~5人
重量:約16kg
本体サイズ:340×540×215(h)cm
インナーサイズ:320×230×170(h)cm
耐水圧:フライ2,000mm 、フロア2,000mm
設営時間:★★
ドームテントでも定番の、タフシリーズの2ルーム版。基本性能がしっかり押さえられた使い勝手の良さから、多くのキャンパーに利用されている。耐風性の面では不安があるが、コスパは最高のモデル。
コールマン ウェザーマスター 4Sワイド2ルームカーブ
人数:4~5人
重量:約24kg
本体サイズ:350×580×200(h)cm
インナーサイズ:300×225×185(h)cm
耐水圧:フライ3,000mm、フロア10,000mm、ルーフ3,000mm
設営時間:★★★★
コールマンの上級者向けモデル、ウェザーマスターシリーズの2020年最新モデル。大型2ルームとは言え、その強度は折り紙付き。
天井のクリアウィンドウも、このテントの特徴で、リビング内まで光を入れることができる。
カーブより更に大きいコクーン3もあるが、スノーピークのランドロックより大きいため、設営できる場所に限りがある。
詳細レポートはこちら
※ウェザーマスターシリーズは、WEBでの正規販売はコールマンオンラインショップのみ
人数:4人
重量:15.5kg
本体サイズ:380×600×210(h)cm
インナーサイズ:315×230×175(h)cm
耐水圧:フライ1,800mm、フロア1,800mm、ルーフ:1,800mm
設営時間:★★★
名称にエントリーと付いているが、あくまでスノーピークの2ルームとしてのエントリーモデルという意味で、実質的には中級クラス以上の性能を持っている。4本のアーチフレームを天井のリッジポールで背骨のように接合する構造のため、カマボコテント並みの建てやすさと高い剛性を両立している。
耐水圧は、1,800mmミニマムと控えめだが、生地は厚みがあって強度があり、ルーフシートも標準装備しているので、雨漏りの心配などは無い。
スカートが、インナーを吊るす寝室部分のみ付いていないが、スノーピークに問い合わせたところ、夏場の通気性を考慮したためとのこと。冬場については、全周にスカートが付いているランドロックやリビングシェルに比べると、室内の保温性は劣るが、リビングスペースにはスカートがあるので、リビングからインナーテント内では快適に過ごせるとしている。
スノーピーク ランドロック
設営時間:★★★★★
スノーピークのフラッグシップと言える、ラインアップ最大の2ルームテント。
スノーピークには、エントリー、スタンダード、プロの3ラインが存在するが、ランドロックはスタンダードに分類されている。とは言え、スペック的には充分で、その大きさから場所を選ぶが、広いリビングは圧倒的。
4人家族では大きすぎる気はするが、子供が中・高校生であれば、これで丁度良いかもしれない。
フレーム構造が複雑なため、設営には時間がかかるが、抜群の耐風性を誇るところは流石はスノーピーク。風が強い沿岸部のキャンプ場でも、安心して設営できる。
オガワ(ogawa) ステイシーSTーⅡ
人数:2~3人
重量 :3.9kg
本体サイズ:230×300×130(h)cm
インナーサイズ:220×150×120(h)cm
耐水圧:フライ1,800mm、フロア1,800mm
設営時間:★
人数が2~3人となっているが、インナーサイズ的には2人が限界で、実質はソロ用の2ルームテント。むしろ、小型・軽量の2ルームという、ありそうで無かった製品は、ソロキャンパーから絶大な支持を得ている。
オガワ(ogawa) ヴィガス
ステイシーがソロ用の2ルームなら、ヴィガスはカップル専用の2ルーム。インナーサイズはステイシーと同様だが、リビングの奥行が195cmと広く、天井の高さもあるため、テーブルとチェアを入れても、2人で快適に過ごすことができる。
インナーの幅150cmというのは、丁度ダブルベッドサイズに当たるため、カップルにベストフィット!!
オガワ(ogawa) ファシル
人数:4人
重 量:13.6kg
本体サイズ:265×495×180(h)cm
インナーサイズ:250×200×160(h)cm
耐水圧:フライ1,800mm、フロア1,800mm、ルーフ1,800mm
設営時間:★★
シンメトリカルなデザインが美しい、オガワの最新2ルームテント。人数は4人となっているが、実質的には3人が限界。
インナーテントは、コールマンのインフレーターマット3人分を敷くのが限界。 |
2ルームとしては、メインポールが4本と少なく、非常に建てやすいのが特徴。構造的には、ドームテント2つを重ねてドッキングしたような形をしており、高い剛性を誇っているため、見かけより耐風性が高い。
パネルも全面メッシュにすることができるため、とても風通しが良い。
ファシルの詳細についてはこちら
オガワ(ogawa) ティエラ5-EX Ⅱ
人数:5人
重 量:21.1kg
本体サイズ:310×555×205(h)cm
インナーサイズ:300×220×195(h)cm
耐水圧:フライ1,800mm、フロア10,000mm
設営時間:★★★★
オガワのフラッグシップモデル。2ルームとしては、スノーピークのランドロックより一回り小さいが、4人家族であれば丁度良いサイズ。2003年の発売以来、地道に進化しており、2020年のアップデートで、インナーの素材が結露に強いT/Cに変更された。
ティエラシリーズには、本体を620cmにストレッチされた「ラルゴ」や3人用(実質的には大人2人子供1人)の「リンド」などのバリエーションがある。
オガワ(ogawa) アポロン
設営時間:★★★★★
オガワのもう一つのフラッグシップと言えるトンネル型テント。ティエラが戦艦ならアポロンは航空母艦のようなテント。4本のアーチポールを、3本のリッジポールで接続するため、耐風性は抜群。
トンネル型でとにかく広く、全面メッシュパネルと相まって、オールシーズン快適に過ごすことができる。インナーテントが幅300cmなので、大人5人だと窮屈だが、4人であれば十分。インナーが窮屈であれば、広いリビングを活かして、小型のドームテントを寝室として追加するか、コット寝もアリ。
テントファクトリー フォーシーズントンネル 2ルームテント L
4本のアーチポールで支える形のトンネル型テント。この手のトンネル型は、耐風性に不安があるが、比較的簡単に建てられるのがメリット。
リビングが広く、高さもあるので、小さいお子さんが1~2人いるファミリーには使いやすいサイズ。
コストパフォーマンスの良さもあり、2ルームのエントリーモデルとも言える。
ロゴス neos PANELダブルリビングドーム XL-BJ
人数:4人
重 量:11.9kg
本体サイズ:290×632/585×160(h)cm
インナーサイズ:270×270×145(h)cm
耐水圧:フライ2,000mm、フロア3,000mm
設営時間:★★★
ロゴス独自のPANEL SYSTEMと呼ばれる、クロスポールが前面のフライシートに入っているのが特徴的な2ルームテント。
形状がかなり独特で、フライシートを跳ね上げてメッシュを取り付けることで、フルメッシュのリビングが完成する。出入口は、別途横にもあるため、メッシュを空けなくても出入りができる。
メッシュを取れば、開放的なリビングになるので、大きな前室を持ったドームテントとしても使え、その汎用性の高さも魅力。
以上、私のおすすめする2ルームテントをご紹介しました。
オガワが多めにピックアップされる結果となりましたが、ステイシーからアポロンまで、人数に合わせた2ルームが選べるのが最大のポイントとなります。
2ルームは、やはり大きくて重いテントですので、導入に当たっては、必要以上に大きなテントを買わないことが重要なポイントになります。
妻と娘の3人家族の私は、数年間悩んで、ようやくファシルを買いました。やはりティエラやアポロンでは大きすぎ、3人家族にベストの2ルームがこれまで無かったのが一番の原因です。
皆さんも、自分のキャンプスタイルに合った2ルームを選んでいただければと思います。
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