薪ストーブのダンパーを自作

2020年2月28日

DIY 薪ストーブ

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ダンパーとは、薪ストーブの煙突内に設けられた円盤状の物のことで、それをレバーで開閉することで、排気をコントロールすることができます。



薪ストーブは、高温になって煙突のドラフト効果が高くなりすぎると、燃焼室内の熱い空気がドンドン煙突から排気されてしまい、暖房効果が下がります。俗に、抜けが良すぎると言われる状態で、燃費にも良くありません。吸気口を閉じて燃焼を抑えることでも抜けを抑えることはできますが、煙突にダンパーを付ける方がより効果的です。煙突のダンパーを閉じることで、煙突からの排気を減らすことができるからです。

ダンパーは、抜けを抑えるだけでなく、ストーブ内に燃え残りの可燃性ガスを充満させ、その燃焼を促進させることもできます。これを、2次燃焼と言いますが、そのためにはある程度の空気の流れをコントロールする機構が必要となります。

家庭用の薪ストーブには、薪の燃焼時に廃棄されたガスを引き込み、そこへ新鮮な空気を追加して2次燃焼を促進する機構を持った物がありますが、キャンプ用薪ストーブでは、この機構を十分に備えた機種は今のところ無いように思われます。
しっかりと2次燃焼させることができれば、排気は無色で匂いも殆ど無くなるのですが、そのためには、燃焼室内の温度もそれなりに高温に保たなければならず、ストーブ自体の大きさもある程度必要となってきます。
※一部に2次燃焼を謳っている製品はあるが、2次燃焼を十分に行うには、専用の燃焼室や、ストーブ自体に2次燃焼切替用のダンパーを設けるなど、複雑な機構が必要となるため、完全に対応しているとは言えない。

とは言え、煙突にダンパーがあれば、抜けを抑えて燃費を良くすることができますし、更に吸気口を開いて空気を多く取り入れてやれば、燃焼室内のガスも多少は2次燃焼させることができます。

実は、私の愛用しているテンマクデザインのiron-stoveちびには、ダンパーがありません。他のキャンプ用薪ストーブでも、以前は煙突パーツにダンパーがラインアップされていない物が多かったのですが、ここ数年で各メーカーともダンパーに対応してきました。
さて、無いなら作っちゃえ!ということで、ダンパーをDIYすることにしました。

作り方

材料

ダンパー制作に使ったのは、ホームセンターで売っていた0.3mm厚のステンレス板です。0.5mmや0.8mmもあったのですが、加工は金切鋏で行うので、厚みがあると固くて切り難いことも想定して、あえて一番薄い0.3mmにしてあります。
ちなみに、アルミ板も売っていましたが、溶融点が659度なため、万が一にもガンガンに焚いた時に溶けたら困るので、溶融点1399~1454度のステンレスにしました。
レバーには、ステンレス製の打ち込み丸カン(直径5mm)という、地面に打ち込んでロープなどを留める金具を流用しました。

1.ダンパープレートの切り抜き

ステンレス板に直径65mmの円をコンパスで書き、金切鋏で切り抜く。


2.留め用プレートを切り抜く

ダンパーをレバーに取り付けるための四角いプレートを、金切鋏で切り抜く。


3.留め用プレートを曲げて溝を作る

留め用プレートを打ち込み丸カンにあてて、金槌て叩いて曲げる。


4.ダンパープレートと留め用プレートを接合

ダンパープレートと留め用プレートに、ステンレス用ドリルで穴を空け、リベットで留める。


5.レバーを通して調整

ダンパープレートの留め具に、打ち込み丸カンを刺し込んで、締まり具合を調整する。
刺し込んだ後に、打ち込み丸カンを回して抵抗を感じるぐらいに、留め具をハンマーで叩いて調整。


6.煙突に穴を空ける

煙突に、ステンレス用ドリルで直径5mmの穴を空ける。
空けた後は、バリなどを金属やすりで削り取っておく。


穴の位置は、手を入れてダンパープレートを保持できる位置に空ける。煙突の口径にもよるが、真ん中付近に空けると、手が入らずダンパーが付けられなくなる場合があるので注意!

7.ダンパーを取り付ける

煙突内にダンパープレートを入れ、煙突に開けた穴から打ち込み丸カンを刺し込んで、ダンパープレートを取り付ける。


丸カンの○とダンパープレートが水平になるように調整。

ダンパーを開いた状態

ダンパーを閉じた状態

作業時間としては、30分ぐらいで完成。

使ってみた感想

早速、ダンパーがどれぐらい有効か使ってみました。
キャンプ場は、雪中キャンプで有名な、ふくしま県民の森フォレストパークあだたら(詳しくはこちら)。


レバーが簡単に動いてしまうので、とりあえずは金属クリップで調整してありますが、バネでテンションをかけた方が良いので、後日購入するつもりです。


効果は上々で、全閉にすればかなり燃焼を抑えることができます。天板の温度も、全開時が300度ぐらいの場合、全閉にすると220~250度とかなり落とすことができます。
使い始めてしばらくはレバー回りから僅かに煙が漏れていましたが、すぐに収まりました。おそらく、レバーと煙突のすき間を煤が埋めたのだと思います。

全開
全閉

難点は、炉内の燃焼の勢いによっては、全閉にすると扉のすき間から煙が漏れ出すことです。煙ぐらいなら良いのですが、一酸化炭素が漏れだすと厄介ですので、ダンパーを徐々に開いて漏れない位置を探ります。


一日目の夕方から夜中までと、2日目は朝から夜中まで焚き続けましたので、ダンパー周りはかなり煤が溜まっています。
リベット接合ですので、緩んでダンパーが効かなくなることを心配したのですが、問題ありませんでした。




もう少し改良の余地はありそうですが、まずは成功ということで満足しています。

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