テントの設営場所を決める
雪中キャンプでのテント設営場所は、他のシーズンと異なり、木の真下は避けましょう。特に冬でも葉を落とさない針葉樹の場合、大量の雪が枝に降り積もっていると危険です。雪が落下してきてテントに直撃すると、幕体やフレームを痛めますし、最悪の場合枝が折れて落下してくる危険性もあります。夜中に雪が降ってくることも想像しながら、木々の状態を見ることが重要です。
氷柱(つらら)にも気を付けてください。大きいのが落ちてくると、シャレにならない凶器です!!
氷柱(つらら)にも気を付けてください。大きいのが落ちてくると、シャレにならない凶器です!!
また、降り積もった雪でグランド状態が分からないため、生垣が埋まっていたり、大きな岩が隠れていたりすることもあるので、状態を慎重に確認しましょう。
雪を踏み固めてならす
テントの設営に当たっては、まず設営場所の雪を踏み固める必要があります。キャンプ場によっては、適宜除雪されている場合もありますが、新雪が積もっていたりすると踏み固めは必要な作業となります。
踏み固めるコツは、とにかく平坦になるように踏み固めることです。どうしても雪の密度によってデコボコができますが、ひどい場所は雪を入れてならすと良いです。
雪ならしには、スノースコップがあると便利ですが、雪中キャンプができるようなキャンプ場では、無料で貸し出してくれる場合が多いので、事前に調べておきましょう。
テントを設営する
踏み固めた雪上にテントを建てます。基本的には他のシーズンと同じように建ててOKです。2ルームなどは殆どのモデルでスカート(マットガード)が付いているので、その上に雪をかけて埋めてしまうと幕内に隙間風が入らなくなります。このスカートを雪で埋めるやり方は、雪山でのテント設営方法で、こうすることで強風にも強くなります。撤収時のことを考えてスカートを内側に折り込む方法もありますが、多少スカートが凍り付いても内側から叩けばきれいに剥がれますし、剥がれにくい場合はお湯をかけて溶かす方法もあるので、無理に折り曲げる必要はありません。むしろ、隙間風と強風対策のために外側を埋める方が良いです。
ペグダウンについて
雪が20cm以上積もっていると、地面までペグを打ち込むことができないため、ペグを十字にして埋めるなどの対策が必要となります(詳細はこちら)。レジ袋に雪を詰めて、それにロープをくくって雪に埋めるというやり方も有効で、風が強い時などに向いていますので、レジ袋などを多めに持って行くようにしましょう。
北軽井沢のスウィートグラスのように、冬でも人気のキャンプ場では、むしろテントサイトの雪が踏み固められすぎて凍っていて、逆に鍛造ペグでも打ち込むのがタイヘンな場合もありますので、どんなグランド状態でも対応できるようにしておきましょう。
ちなみに、凍ったグランドにペグを打ち込むと、撤収時にはペグが凍り付いて抜けないので、お湯をかけて溶かしながら抜くと簡単に抜けます。
風が強い場合の対処
高原のキャンプ場などで風が強い場合は、テントサイトの風上側やテントの入り口付近にに雪の壁を作ると効果的です。壁を作ることで、テントへの出入りの時などに、少しでも冷たい空気が幕内に入るのを防ぐことができます。作り方はいくつかありますが、一番簡単なのは、降り積もって固まった雪を切り出して積んでいくだけです。キャンプサイト周辺で30cm以上降り積もっている場合、表面の柔らかい雪を取り除くと、雪の重みで固まった雪の層があります。それを枝払いなどに使う折り畳みのこぎりで切り出します。
大きさは、15cm×15cm×30cm程度を目安に適当に切り出します。
あとは、それをレンガのように積んでいくだけです。
のこぎりの刃長は20cm前後のものが使いやすいです。
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撤収時の注意点
場所や天候にもよりますが、最高気温が氷点下のような極寒キャンプ場であれば、結露や積もった雪は、幕をバサバサやれば簡単に落ちてくれます。2ルームテントなどのポリエステル生地の場合は、フライシート内が結露しているでしょうから、一度開け放って10~20分ほど放置しておけば、結露が全部凍り付いて、パラパラ剥がれてくれます。インナーテント内部の結露については、凍らせて落とすわけにもいかないので、タオルなどで拭き取るようにしましょう。気温が氷点下にならない場合は、多少の風があれば十分に乾燥しますので(気温が低いと湿度も低いため意外と乾きます)、他のシーズン同様にテントに風を通しておきます。
あと、撤収直前までは、バーナーを使ってお湯を沸かしておくことをお勧めします。凍り付いたペグなどを溶かしたり、お茶などを飲んで体を暖めたりと、色々と役立ちます。
全ての撤収が完了したら、グランド状態の原状復帰をしてください。雪の中で焚火をしたり、暖房器具を使ったりしていれば、かなり雪が溶けているはずなので、サイト周辺の余分な雪を入れてならしてください。ぼこぼこの状態ですと、次に使う方の迷惑となりますので、マナーを守りましょう。
以上、簡単な紹介ではありますが、参考にしていただければ幸いです。