連日のようにワイドショーで取り上げられていたので、ご存じの方も多いことでしょう。
8月6日に市街地で目撃されて以来、藤野、簾舞(みすまい)両地区に毎日出没しており、民家の自宅前で作られていたトウモロコシなどを食べ漁っていました。札幌市の対応としても、連日パトカーによる警戒を行い、10日に箱わなを2基設置するなどの対策を行いましたが捕獲できず、12日には北海道猟友会に出動を要請していました。そして、猟友会出動から3日後の14日に、ついに射殺されることとなりました。
これに対し、札幌市には15日時点で約300件の意見が寄せられ、その大半がヒグマを射殺したことに対する抗議だとのことです。しかし、この抗議の殆どが首都圏や関西などの道外からのもので、「麻酔で眠らせて森に帰せなかったのか」「捕まえて動物園に移せばよい」などの意見があったようです(北海道新聞)。
これらのニュースに触れた時、私はとても複雑な気分になりました。日中に住宅街を闊歩するヒグマの映像を面白おかしく取り上げていたワイドショー。住人のことを考えて一刻も早く射殺すべきという、芸能人コメンテーター。射殺されてかわいそうという道外市民。私は、その全てから違和感しか感じませんでした。
私の違和感を説明する前に、まずはヒグマの生態と、痛ましい過去の事件を紐解いてみます。
心無い観光客がソーセージを与えたことが原因で殺処分となった子熊 (知床自然センター) |
ヒグマの生態
概要
ヒグマは、ユーラシア大陸(主にロシア、ヒマラヤ)から、北海道、北アメリカ大陸北部(アラスカ・カナダ・アメリカ北西部)に生息しており、ホッキョクグマと並びクマ科では最も大きいクマです。北海道に生息するヒグマ(エゾヒグマ)は、アメリカ北西部に生息するグリズリー(ハイイログマ)や、アラスカに生息するコディアックヒグマなどと同じ種です。北海道のヒグマの大きさですが、メスの成獣で体長約1.5m、体重約100~200kg、オスの成獣は体長約2.0m、体重約150~400kgです。ちなみに、本州に生息するツキノワグマが体長1.2~1.8m、体重がメス40~70kg、オス50~120kgですので、いかにヒグマが大きいか分かります。
生息地と食性
ヒグマの生息地ですが、山奥の高山ではなく、草本類や果実、昆虫などが豊富な比較的低い山間部です。高山地帯は食物も少なく、ヒグマの体長を維持できるだけの食料が手に入り難いので、より食物の豊かな低山や山間部の平野を好みます。これらの地帯は、人間にとっては里山にあたるため、結果として今回の事件のような住宅近くにも現れることになります。食性は雑食性で、フキやセリなどの草本類から、ドングリ、アリ、ハチなど多岐にわたります。ヒグマと言えばシャケをくわえた木彫りのお土産が有名なため、シャケというイメージが強いですが、シャケが遡上する河川は限定されるため、食料としての割合は近年減少してきています。むしろ、季節によって捕食対象を変えることで、上手く自然環境に対応しています。
また、道東ではエゾシカを捕食しているという報告もありますが、ヒグマが動物を捕食するのは稀で、どちらかというと死んだエゾシカの肉を食べたりしています。
<ヒグマの主な食糧>
春
草本類:フキ、セリ、ウド、イラクサ、スゲ夏
草本類:フキ、セリ果実類:ヤマグワ、サルナシ、
動物:アリ、ザリガニ、セミの幼虫、ハチ
秋
果実類:サルナシ、ヤマブドウ、コケモモ堅果類:ブナの実、ドングリ(ミズナラ)、クルミ
冬眠(冬ごもり)
ヒグマは、12月から3月にかけて、冬眠(冬ごもり)を行います。これは、北海道の冬はヒグマの食料となるものが無いためで、山中で穴を掘り、その中で体温と心拍数を下げて寝ます。爬虫類などの冬眠とは異なり、完全に動けない状態になっているわけではないので、冬眠中もカロリーを消費します。冬眠中は、一切食べたり飲んだりせず、排泄もしないため、肛門付近に「止め糞」を作ります。「止め糞」は、ナラの表皮やコクワヅルやブドウ蔓の表皮の固い部分などを食べて、それが肛門付近で固まったものです。アイヌ民族最後の狩人である姉崎等さんによると、「止め糞」は、冬眠中に肛門を使わないと癒着してしまって開かなくなるのを防ぐためのものだそうで、ナラの表皮などを食べだすと、そのヒグマが冬眠の準備をしている合図になるそうです(詳細は「クマにあったらどうするか」ちくま文庫参照)。
ヒグマの繁殖と子育て
ヒグマの繁殖期は、6~7月頃で、その後は分かれて単独行動になります。出産は冬眠(冬ごもり)中の1~2月に行われます。ヒグマの受精卵は交尾後、メスの子宮に着床せずに長期間子宮内に留まり、冬眠前に子宮内に着床して胎内での生育が始まります。着床の条件としては、母クマが十分に秋までに脂肪を蓄えることができていることで、脂肪が十分でない場合は着床せず妊娠しません。
これを着床遅延といい、冬ごもり中に出産して子供にミルクを与えることができる状態であることが妊娠の条件になっていると考えられています。(ツキノワグマも同様)
クマが親離れするのは、1~2歳の夏から秋にかけてになるので、生後2~3年は母クマと行動を共にします。子クマは、どの季節にどこに行けば食べ物があるか、食べ物の採り方などを母クマから教わり、冬眠も母クマと一緒に行います。そのため、ヒグマの子育ては長期間に渡り、その間は母クマは子クマを保護するために必死になります。親子連れのヒグマが危険と言われるのはこのためで、人間が不用意に子クマに近づいたりすると、子を守ろうと母クマが必死で抵抗するため、結果として人間側からするとクマに襲われることになります。
ヒグマの性質
ヒグマは、大変頭の良い哺乳類で、鼻も犬並みに利きます。大きな体長を維持するためには、多量の食物が必要なため、食べ物に対する執着心が強いです。1.5m以上の体長と200kg以上の体重にもかかわらず、動作は俊敏で、時速60kmで走ることができます。
性格としては臆病で、基本的には人間を怖がっていますが、人間を襲ったりして自分の強さを自覚すると、人間を恐れずにむしろ襲うことがあります。このような性格が、後述する多くの事件を引き起こしています。
ヒグマにまつわる痛ましい事件
三毛別羆事件
ヒグマが人を襲う事件は、これまでも度々起こっています。中でも7名が死亡した「三毛別羆事件(さんけべつひぐまじけん)」が最も大きな被害を受けた事件です。1915年(大正4年)12月9日から12月14日にかけて、北海道苫前郡苫前村三毛別(現 苫前町三渓)で発生したこの事件では、女性2名、子供5名(うち1名は胎児)が犠牲になりました。
また、この事件ではヒグマによる人間に対する食害が起こっており、特に最初の犠牲者である阿部マユは、頭部とひざ下の脚部以外を食害されるという凄惨な事件です。
ヒグマが人間を襲った原因は、冬眠(冬ごもり)に失敗したヒグマが、食料を求めて人家に近づき、軒下に吊るしてあったトウモロコシを食べようとしたところ、中にいた住人がヒグマに驚き大声をあげて刺激したことと考えられています。
このヒグマは最後は腕の良いマタギに射殺されましたが、それまでも住人が銃で撃っていますが致命傷を負わせることができませんでした。クマを一撃で倒すためには、心臓か頭部を打ち抜く必要があるため、高い技量が必要となります。また、一撃で倒せなかった場合は、反撃を食らって重傷を負う可能性があることも、熊撃ちを難しくしています。
福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件
さて、もう一つ有名な事件をご紹介します。1970年(昭和45年)7月27日~29日に日高山脈で起こった、福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件(事件当時は同好会)です。3歳の雌のヒグマが登山中の同好会員を襲撃し、3名の死者を出したこの事件は、食害には遭っていませんが、ヒグマに執拗に襲われた事件です。
福岡大学ワンダーフォーゲル同好会の学生5人が、日高山脈を縦走中にヒグマに出会い、持っていた食料を狙われます。ヒグマが食料の入ったザックを漁っていたのを、音などを立てて追い払い、取り返したのですが、その後ヒグマは執拗に彼らの後を追い、結果として3名が亡くなることになりました。ヒグマからすれば、おいしそうな食糧を人間から取り返そうとして、その結果人間を殺害してしまったという事件です。食料に対する強い執着と、それを入手するためには人間を襲うことをいとわないというヒグマの凶暴性が現れた事件と言えます。
今回射殺されたヒグマについて
札幌市南区は支笏湖付近にまで広がる、広大な山林を有しており、連日ヒグマが徘徊した藤野、簾舞(みすまい)地区は、石狩川の支流で札幌市内を流れる豊平川の上流域にあたります。支笏湖から羊蹄山に至るこの辺りは、かつては多くのヒグマが生息していましたが、1960~70年代の乱獲により、個体数が激減しました。積丹・恵庭地域では平成2年(1990年)の調査では300頭程度にまで減少しています。そのため、当時の環境庁からも地域絶滅危惧種として指定され、日本版レッドデータブックにも記載されています。積丹・恵庭地域は、南北は札幌市から苫小牧市、西は室蘭市に至る広大な地域で、ここに300頭というと、本職のマタギでも出会うのが困難なぐらいの頭数と言えます。
その後、平成24年(2012年)の調査では800頭にまで回復しているとなっていますが、ヒグマの生息数調査の難しさから、場合によっては200頭程度しか生息していない可能性もあります。
出典:北海道環境生活部環境局生物多様性保全課「ヒグマ生息数の推定について」(平成27年12月2日)
今回出没したヒグマが札幌市南区だったことからも、積丹・恵庭地域に属するヒグマであったと思われます。
さて、8月というのは、トウモロコシやメロンの収穫期で、ヒグマにとっても美味しい食べ物がある季節なため、北海道全域で以前からヒグマによる被害が多い季節でもあります。藤野、簾舞(みすまい)地区の南側は、支笏洞爺国立公園へとつながる山林地帯であるため、この方面に住んでいたヒグマが市街地に出てきてしまったのだと考えられます。
射殺駆除された今回のヒグマは、体長1.4メートル、体重128キロのメスだったことから、ヒグマとしては標準的な成獣だったことが分かります。単独行動だったことからも、子供がいない(または親離れした後の)ヒグマで、人間や車に対する行動からも、性格的にはそれほど攻撃的ではなかったと推察されます。
しかし、8月6日に住宅街に目撃されてから、14日に射殺されるまで毎日出没しており、特に後半は日中にも行動していたことから、人間や自動車に対する恐怖心がどんどん無くなっていったと思われます。むしろ、民家の庭などにある、野菜やトウモロコシなどの味に対する執着が見られ、人間に対する恐怖心よりも食料に対する欲求が高まっていることが分かります。
人間慣れしたヒグマが何らかの刺激で激高した場合の危険を考えると、射殺もやむを得なかったと思います。
札幌市の対応
札幌市は、目撃情報が入った当初は、人間への恐怖心を利用して山に帰るように働きかけていたことは明らかです。特にパトカーなどを使って追い払うような行動をしていましたので、この辺りの対応は、良い意味でマニュアル通りです。札幌市は、以前から「さっぽろヒグマ基本計画」を定めており、ヒグマとの共存のために、市民への啓蒙も含めて様々な活動を行っています。
猟友会への出動要請が遅かったのも、ヒグマを自然に返すことを前提とした行動を行っていたからです。
箱わなの設置が10日と、目撃初日から5日後と遅く感じますが、そもそも今回のように広範囲を徘徊するような場合は、罠にかかる確率が低く、実効性があまりありません。また、住宅街に箱わなを設置すれば、万が一捕獲に失敗した場合、ヒグマが激高して暴れだして住民に被害が出るリスクが高いため、箱わなを設置できなかったのだと思います。
いずれにせよ、目撃初日から7日目の12日に殺処分を前提として猟友会が出動していますので、ヒグマを脅して山に返すことを諦めたのが6~7日目だと思われます。
本来であれば、人間を恐れるヒグマに対して、威嚇行為(音声や自動車での威嚇)で山に逃げるように仕向けた訳ですが、予想以上に人間を恐れず、食物への執着を断ち切れなかったことが、札幌市の殺処分対応へとつながったと言えます。
なぜ射殺したのかと言う道外市民
ヒグマと共存の道を模索し続けている北海道民に対し、ヒグマはおろかクマ蜂すら見たことも無い首都圏に代表される都市市民にとっては、単純にクマを撃ち殺すのは可哀そうとしか映らないのでしょう(ちなみにクマ蜂はおとなしい蜂で、人間から手を出さない限り刺されることはありません)。特に食料に執着しているヒグマは、捕食を邪魔されると激高して暴れだす凶暴性があり、時に人間を殺害することがあります。ですので、住民にとっては一刻も早く対処してもらいたいとうのが本音でしょう。今回のように、人間を恐れず、人家周辺の食料を漁るヒグマは殺処分しか手段がありません。仮に捕獲して、遠く離れた山中に返したとしても、おそらく南区近辺に戻ってくるか、別の住宅街に向かうでしょう。人間の食物の味を覚えてしまったヒグマは、その味が忘れられなく執拗にそれを求めることは、前述の福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件でも明らかです。
ちなみに、「麻酔で眠らせて森に帰せなかったのか」「捕まえて動物園に移せばよい」などという発想は、ヒグマどころか野生動物のことを全く分かっていないです。麻酔銃は、麻酔の量が非常に難しく、多すぎると死亡しますし、少なすぎると効きません。また、麻酔で動けなくなるまで、ヒグマぐらいの大きさだと10分ぐらいかかりますので、麻酔が効くまでの間に暴れられると、その方がリスクが高いです。また、麻酔銃の射程距離は10~15mと短く、射撃した人が逆に襲われる可能性もあります。
捕まえて動物園に移せばというのも、野生動物のことを知らなすぎます。そもそもクマ牧場のクマは、生まれた時から牧場の檻の中で育てられており、確たる縄張りも持っていません。そんな所に、野生のヒグマを入れても、まともに飼育することは不可能で、他のヒグマと喧嘩したり、最悪共食いすることになります。野生のヒグマを受け入れるクマ牧場や動物園などまず無いでしょうし、そもそも自然の中で自由に生きてきたヒグマは、檻の中に入れられてうれしいでしょうか?
猟友会に対して、クマを撃てば儲かるんだから早く撃ち殺せというような心無い意見もありますが、これも現実を何も分かっていません。害獣駆除で出動する場合、日当は弾代込みで数千円で、実質的にはボランティアです。弾代も1発千円前後するので、3発も撃てば赤字です(これはクマだけでなく、害獣として最近取り上げられることの多いイノシシなども同様です)。射殺後のヒグマの毛皮や肉が売れるという意見もあるでしょうが、毛皮が高値で取引された1960年代ならいざ知らず、近年では処分にも困るぐらいです。肉も、販売するためには解体・洗浄が必要で、専用の施設を持つ必要がありますが、近年のジビエブーム程度では、専用施設を作って肉を流通させるにはマーケットが小さすぎるため、熊肉を販売して儲けを出すのは困難です。
結局、ヒグマの殺処分については、猟友会も被害者なのです。
連日の報道について
ヒグマが危ないと言うワイドショーのコメンテイターも、具体的なヒグマの恐ろしさを知らず、ただその大きさにのみ目を奪われて危険を連呼するばかりです。むしろ、自動車でヒグマを追い回し、カメラを執拗に向けることで、ヒグマを刺激して怒らせてしまう危険性すらあります。今回のヒグマは体重128キロのメスでしたが、300キロを超えるオスだったら、一撃で車の窓ガラスを割ることも可能ですので、このカメラマンも一撃で殺されていたかもしれません。私も連日の報道を見ていましたが、ただ目撃情報や映像を流すだけで、ヒグマの習性や危険性、過去の事件、札幌市の取り組みなどについては全く調査しておらず、報道と呼べるものではありませんでした。そして、そんな表面的な事実だけで、一刻も早く駆除しなければと無責任に言うコメンテイターには、もう少しヒグマのことを勉強してから言ってほしいです。せめて「さっぽろヒグマ基本計画」ぐらい読んでほしいです。このような偏向報道が、心無い一部の人からの抗議にもつながっていると思います。
この報道で私が思い出したのが、自然写真家の星野道夫氏が1996年にカムチャツカ半島でヒグマに襲われて亡くなった事件です。アラスカ大学への留学経験もある星野氏は、グリズリーなどの多くの写真を撮影しており、ヒグマに対する十分な知識があったにも係わらず、テント内で深夜に襲われ命を落とすことになりました。
この時も、ヒグマに対して無謀にもテント内で撮影を試みたなどという誹謗がありましたが、星野道夫氏としてはヒグマの状態を十分に考慮した上での行動でした。
むしろ、ヒグマの習性を熟知していた星野道夫氏でさえこのような結果になったことは、自然相手の難しさを我々が教訓とすべき事件だったと言えます。
ヒグマは危険か?
まずは、札幌市内でのヒグマの目撃情報を整理してみました。2018年度 137
2017年度 106
2016年度 33
2015年度 82
2014年度 89
2013年度 105
2012年度 167
出典:札幌市ヒグマ出没情報
2016年は33件と少ないですが、それ以外は毎年100件前後の目撃情報があります。実は、これほど札幌市民にとっては、ヒグマは近い存在でもあります。そして、目撃情報の殆どが、今回の事件現場となった藤野、簾舞(みすまい)地区に集中しています。このことからも、藤野、簾舞地区に在住の方にとってヒグマは決して遠い存在ではないことが分かります。これは私の勝手な想像ですが、ワイドショーが騒ぎ立てるほど、地元の人は驚いてはおらず、冷静に対処されていたことと思います。札幌市からもヒグマに対する手引書などが用意されていますので、ヒグマの習性や注意点についての知識もテレビ局スタッフよりお持ちのことと思います。
また、毎年これほどの目撃情報がありながら、今回のように連日市街地に現れたケースは報告されていないことからも、今回のケースは大変めずらしいことだということが分かります。
確かに、1度人間を襲ったり食べたりしたヒグマは非常に危険で、人間を恐れず襲ってくるので、早急に殺処分する必要があります。ですが、こちらからいたずらに刺激しない限り、ヒグマも人間を恐れ、距離を取ろうとするので、必要以上に怖がる必要はありません。
ヒグマ、そして自然との共生について
生息地と食性の項でも記載しましたが、ヒグマに限らずクマは、里山や低山の山間部など人間の生活圏と極めて近い地域を生活圏としています。そのため、ヒグマが人間の生活圏に現れるのは必然であり、これを防止する手段はありません。どうしてもヒグマが市街地に現れるのを防ぎたいとなれば、近辺に現れるヒグマを片っ端から殺処分することになります。そんなことをすれば、ヒグマが絶滅するのは明らかですので、現実的でないことが分かります。実はこの問題は、アラスカや北米でも同じ課題を抱えています。ヒグマが多く目撃されるということは、ヒグマの生活圏に人間が踏み入れているということであり、そこに自然と人間との共存の難しさが現れています。
人間は、自分たちの造り上げた文明の中で生活しています。しかし、その文明もすべての大地と海を支配するには至っていません。むしろ、自然とうまく共生していくことが求められています。
キャンプ好きを公言して憚らない私としても、自然との共生を考えながら、これからもキャンプを楽しんでいきたいと思います。
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