バークリバー ブラボーEDC CPM M4【小さくてもブラボー】

2019年5月7日

ナイフ沼

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EDCとは、Everyday Carry(エブリデイキャリー)の略で、毎日持ち歩く携行品のことです。毎日持ち歩く物であるため、ポケットに入れたり、小さなベルトポーチに入るものなど、小物になる傾向があります。今回ご紹介するブラボーEDCは、バークリバー社がEDC向けに制作した小型のナイフです。

ブラボーEDCについて

BravoEDC

ブラボーシリーズは、バークリバーを代表するナイフで、基本モデルのブラボー1は米国海兵隊からの要望により開発されたという背景があります。(詳細はこちら

ブラボーEDCは、そんなブラボーシリーズのEDC版ということで、ブラボー1をそのまま小さくしたような形をしています。ブラボー1とEDCのサイズを比較すると、刃長がブラボー1の107mmに対してEDCが88mm、全長も231mmに対して182mmと約2割ほど小さくなっています。刃長だけでなくグリップも均等に小さくなっているため、グリップが手の中に納まる形状になっています。但し、グリップ中央部の盛り上がりは大きくなっているので握りやすさは維持されています。

BravoEDCのグリップ

※バークリバーのナイフは製造時期やバージョン違いによってサイズは微妙に異なりますのであくまで参考値として考えてください。

BravoEDC CPM M4

私の持っているのは、ブラボーEDC CPM M4 ナチュラルキャンバスマイカルタというモデルです。ブラボーEDCは最近発売開始されたモデルで、私の物はブレードに初期ロットであることを表す1st PRODUCTION RUNというプリントが入っていました。

1st Production Run

このナイフの鋼材は、CPM M4というhigh-speed steel(高速度鋼)が使われています。ハイスピード鋼、略してハイス鋼は、金属ドリルや金属カッターのような高速で金属材料を切削するような工具のために開発された鋼材です。鋼材の性質としては、とにかく硬度と耐摩耗性に優れており、ドリルなどはねじれに対する靭性も要求されるため、硬度・耐摩耗性・靭性が高度にバランスしています。但し、耐食性は考慮されておらず、錆びやすいのがナイフ鋼材としては欠点です。

CPM M4

CPM M4は、米国のクルーシブ社が開発した粉末冶金ハイス鋼で、高い硬度と耐摩耗性、靭性を持っており、粉末冶金であるため、金属粒子が細かく、それが切れ味の良さにもつながっているため、耐食性を除けばナイフ鋼材として理想的な鋼材と言えます。

ハンドルは、キャンバスマイカルタで、フルタング構造となっています。既に述べましたが、ハンドルが全体的に小さいのですが、ハンドル中央部の膨らみが工夫されているので持ちにくさは感じさせない構造になっています。

切れ味

流石はM4と言える切れ味です。箱出しですね毛が剃れます。
エッジはコンベックスグラインドに仕上がっており、切れ味と耐久性を両立していると言えます。耐久性だけで言うと、セカンダリーベベル(小刃)を付けてエッジを鈍角にした方が良いのですが、私は切れ味優先で箱出しのまま使っています。

耐久性

ハイス鋼ですので、とても刃持ちが良く、使い方次第ですが殆ど研ぐ必要を感じないほど耐久性が高いです。
デメリットとしては、耐摩耗性の裏返しとして非常に研ぎにくいという点です。M4はM2というハイス鋼から更に耐摩耗性を向上させた鋼材ですので、とにかく研ぎにくいというか研げない鋼材です。
また、炭素鋼同様に耐食性に難点があるので、食材を切ったりする時にはすぐに水分を拭くなどの注意をしながら使う必要があります。尚、牛革のシースが付いてくるのですが、牛革シースは水分があるので、長期間入れていると錆びの元になるため、普段はシースから出して保存しています。

握りやすさ・取り回し

BravoEDC

全体が短く、ハンドルも小さいため、手の中に納まってしまう大きさですが、小さすぎるということはなく、取り回しの点ではとても使いやすいナイフに仕上がっています。刃厚も3.5mmとブラボー1などの5.5mmより2mm薄いので、野菜を切る、木を削る、フェザースティックを作るなどの操作性が良いです。
重量バランスは、握った時に人差し指のあたりに来るため良好で、細かい作業もやりやすいです。

使い勝手

BravoEDC

ブレード形状は、スパインがほぼ直線的なドロップポイントというブラボーシリーズ共通の形状で、ポイントもそれほど鋭角ではないです。ただ、刃厚が3.5mmとブラボーシリーズとしては薄いため、魚を捌く時の刺さり具合、身離れが比較的に良好で、アマゴやアユなどの渓流魚を捌くのにも十分使えます。
刃長が88mmしかないので、バトニングによる薪割などには使えませんが、高い耐久性があるのでハードな使用にも耐え、小ぶりなナイフ形状とナチュラルな重量バランスから、スプーンや箸を作るなどの細かい木工作業にも向いています。

総評

Everyday Carryという観点では、日本は銃刀法があるため理由なくナイフを持ち歩くことができないので、このナイフをEDCできませんが、フィクスドブレードの小型ナイフとしては非常に実用的なナイフと言えます。

Bravo1.5とBravoEDC

私は、ブラボー1.5を持っているので、1.5では取り回しが悪い場面での利用を想定してこのナイフを導入しました。色々と使ってみた所、予想通り、魚を捌いたり小枝を削ったりという細かい作業場面ではとても役に立ち、1.5とEDCの組み合わせがベストパートナーと言えると感じています。

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